しらたまが道草を採って食うブログ

私ついていくよ どんな辛い野食の闇の中でさえ

ヤブジラミがあまりに苦すぎて途中で食べるのをやめた

 

河川敷のつづきです。

 

まだ季節が少し早かったため、菜の花以外の収穫はこれといってなかったのですが、ヤブジラミを見つけたのでセコセコと採取してみました。

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ヤブジラミはセリ科の野草で、同じくセリ科のニンジンに葉の形が似ている。葉を揉むとほんの少しだけ清涼感のある香りがする。葉の表面はうぶ毛に覆われている。

初夏のころになると数ミリの卵型の果実をつけるんですが、刺毛が密生していて服にくっつくことからシラミの名を冠している。

ヤブジラミ

 

 

今回採ったのはかなり若芽の段階だと思うんだけど、手触りはごわごわとしていて、そこはかとない「美味しくない野草」感がすでに漂ってるんですよね。

 

40〜50分かけて集めて小さめのボールに軽く一杯。小さいから採取に時間がかかりました。時間かけた価値はあるのだろうか。f:id:shiratamarr:20220305205240j:image
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根っこはスッと1本長く伸びたものがあるだけなので、引っ張ればプスッときれいに抜ける。

 

 

 

 

 

豚肉と炒めました。ついでに採取したノビルも入っています。ノビルは美味しそうですね。安心感があります。だって美味しさが約束されとるもん。

調理してから気づいたけど、ヤブジラミを下茹でしませんでした。不安しかない。

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この頃、唐辛子をたくさん入れた炒め物にハマっていたんですよ。辛くしたいというよりあの高い香りが好きなので、辛みが出すぎないように唐辛子の種はきっちり除いてます。

 

 

 

 

ヤブジラミ実食
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にっが

 

 

さすがに苦すぎる。ゴーヤの苦味でもない、山菜の苦味でもない、なんか舌の奥の方にくる重たい苦味。あまり食べていい苦味とは思えない。下茹ですれば抜けるレベルの苦味ではない。

ヤブジラミは可食の野草だという情報を持っていたのだけど、これ本当に食べるような野草なんだろうか。そもそもこれは本当にヤブジラミだったんだろうか。果実を見れば一発でわかるんだけど、葉だけで判断したので、セリ科の別の何かだった可能性もある。

 

 

ちょっと怖いのですぐに食べるのをやめました。ヤブジラミという確証を持てないままですが、採取のコスパが悪すぎるので確認作業はたぶん今後しません。ヤブジラミ食べたよという方がいらっしゃいましたら、ご連絡お待ちしております。

 

 

 

(採取日: 2022. 2. 11)

菜の花は葉っぱも美味い

 

まもなく啓蟄の時期であるからして、冬の間家でぬくぬくと原神をプレイしていた私も、「原神で野草摘んでいる暇があったら現実世界で野草を摘め」という誰かの声に動かされて、のそのそと河川敷へ繰り出すのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも野草の話する前にちょっと原神の話をしていいですか?ありがとうございます、しますね。

 

ピックアップで甘雨ちゃんをお迎えできました✌(՞ਊ՞✌三✌՞ਊ՞)✌

 

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前回の記事でも言っているとおり私の最推しはアンバーちゃんなので、甘雨ちゃんのことを好きになるまいとしばらく頑張ってました。好きになったらガチャ回さないといけなくなるじゃないですか。甘雨ちゃんは星5キャラクターなので、欲しくなったら最後その先にあるのは地獄やぞ でもストーリーを進める中で否が応でも甘雨ちゃんの姿を見ることになるし上田麗奈さんの声を聞くことになるじゃないですか そんなとき甘雨ちゃんが出るガチャがやってたら回さずにいられますか 回すでしょ ガチャを回すんダヴィンチ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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もうすぐ春なのでいつもの河川敷に偵察にやってまいりました。原神のアンバーちゃんは西風騎士団のなかで偵察騎士という役職に就いていますが、それはそれとしてこの河川敷には昨年3月ごろから通っていて、葉の花(カラシナ)、ヤブカンゾウ、ノビル、アサツキ、ノゲシヨモギセイタカアワダチソウ、イタドリ、クレソン、オオブタクサなどを採取してきた場所です。

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ早いかもしれないけど菜の花やヤブカンゾウが出てたりしないかなと思って来てみたのです。

 

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まだ寒々とはしているものの、新緑の気配を感じます。

 

 

菜の花ありますね。葉がギザギザしている(鋸歯状)のでカラシナです。

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新芽はまだ出ていないようですが、葉は柔らかそうです。カラシナは新芽だけでなく葉を食べても美味いと本で見たことがある。


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葉茎はポキンと簡単に折れる。たしかにこの感じならあまり繊維ばっていなくて問題なく食べられそう。カラシナは葉が大きいので、美味しく食べられるのなら食べ甲斐があって嬉しい。ただし成長を害するといけないので、一株から採取する葉は2,3枚程度にしておきます。

 

 

 

 

 

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大きさの比較のために500mlのペットボトルを並べています。

 

サラダ油、ニンニク、唐辛子と軽く炒めたあと水を適宜加えてクタクタになるまで煮ていく。
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茹で上がったパスタに先程の菜の花とオリーブオイルを和えて完成。
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気が向いたので型で目玉焼きを焼きました。内側に油を塗らなかったので縁がボロボロになってしまった。

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まず筋張った感じは一切ない。葉の部分も葉茎の部分も見事にとろとろクタクタになっており、舌触りが滑らか。

葉っぱとはいえさすがは菜の花、味が濃い。加えて、アブラナ科の野菜に油で火を通したときの香ばしさもしっかりとあり、文句なく美味い。少々クロロフィル感が強いが、ほうれん草を美味しいと思えるなら全く問題ない。

今回は炒めてクタクタに煮たが、さっと炒めるだけでもいいだろうし汁物にしても美味いと思う。普通のアブラナ科の野菜として扱える。

 

 

この河川敷には菜の花がたくさんあるわけではないので量の確保が課題だったのですが、葉っぱも採っていいとなるとグッと楽になります。引き続き八百屋としてこの河川敷を使っていきます。

 

 

 

(採取日: 2022. 2. 11)

春の野に出でて若菜摘む わが衣手に雪がクソ寒 - 七草粥もどき

 

年末年始は寒かったのでずっとゲームやってました。ソシャゲにはしばらく手を出さないでいたのですが、暇つぶしに原神を始めてしまいました。周りで原神をやっている人はあまりいないのですが、ツイッターでフォローしている絵師さんたちがよく原神キャラのエッチなイラストをあげていて、興味を持ったからです。本年もよろしくお願いいたします。

ゲーム三昧でも新春にやるべきことはきちんとやってます。そうです、春の七草の採取です。

 

 

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春の七草ってなに?

 

これは特に意味もなくご登場いただいたアンバーちゃんです。無課金で入手できるのに一番可愛いんじゃ。

 

はい、春の七草は次の7種類ですね。

セリ

ナズナ

ゴギョウ(ハハコグサ)

ハコベラ(ハコベ)

ホトケノザ(コオニタビラコ)

スズナ(カブ)

スズシロ(ダイコン)

 

 

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カブとダイコンはどうするの?自然に生えてるものなの?

 

このブログの趣旨からすると、ダイコンはハマダイコンで代用するのがいいんですが、わざわざハマダイコンを採りに行くのが面倒なのでカットします。ダイコンもカブもうちの畑にあるけど、野菜は野草よりも美味しいに決まっているのであえて入れません。

 

ちなみに、過去の記事で既にナズナハコベについては実食しています。

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上の記事のときは、かなり日差しが暖かくなってきてからのナズナ採取であったため繊維が固くなってしまっていたものの、繊維さえ断ち切ってしまえば味の濃い大根葉のように使える逸材でした。1月上旬はまだ新芽の時期のはずなので、より美味しく頂けるのではないか。

ハコベはそれ自体に特徴がないけど、クセがなく、小気味いい食感の美味しい野草でした。

 

 

 

 

 

 

まずはナズナ

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いかにも新芽という感じいいですね。寒いのでぴったりと地面に張り付いてます。これがちょっとでも暖かくなると、すぐ花茎が伸びて花が咲いてくるし、葉も固くなってきてしまう。ナズナを採った数日後に、市内南部の日当たりの良い場所ではもう花が普通に咲いていました。ナズナは味がいいので多めに採っておきます。

 

 

 

 

 

 

続いてはホトケノザを採ります。

 

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ホトケノザって、紫の花の咲く草だよね?蜜を吸うと甘いやつ。

 

現代でいうホトケノザはこれですよね。ホトケノザの蜜をちゅうちゅう吸ってる幼女アンバーちゃん可愛いんじゃ。

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(画像はWikipediaよりお借りしました)

 

七草にいうホトケノザは、キク科のコオニタビラコという野草になります。

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(画像はWikipediaよりお借りしました)

 

コオニタビラコって意外と見つからないんだよなーと思っていたところ、母から敷地内に生えてるよとの情報が。

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あーたぶんこれオニタビラコの方やな。葉の形が違うし、でかい。

オニタビラコも、コオニタビラコに似た花を咲かせますが、その名のとおりオニタビラコの方が大きく、花茎を長く伸ばします。コオニタビラコが田畑に生えるとすれば、オニタビラコは住宅地のちょっとした植え込みなどでもよく見られ、コオニタビラコと比べて随分見つけやすい。

 

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へぇ、ややこしいんだね!

 

興味がなくても適当にリアクションをとってくれるアンバーちゃん可愛いんじゃ。

ともあれ、オニタビラコも食べたことがなかったので、せっかくなので七草粥に入れてみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

お次のターゲットはゴギョウ、現代でいうところのハハコグサです。ハハコグサは春に花を咲かせるこの野草です。

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(画像はWikipediaよりお借りしました)

 

薄緑の葉を白い綿毛が覆って、ぷっくりとしたフォルムになっているのが可愛いんですよね。

畑の一角に群生地がありました。

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多肉植物みたいで癒されますね。しかしこれが本当にハハコグサなのか、疑問が湧いてまいりました。

 

ハハコグサの近縁にチチコグサというのがあり、ハハコグサっぽいけどなんか違うというときはだいたいこいつ。しかも一口にチチコグサと言っても、チチコグサ、チチコグサモドキ、ウラジロチチコグサなどの種類があり、大変ややこしい。う、頭が…

 

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大丈夫?

 

ありがとう…ちょっと立ちくらみがしただけ。夜中の3時ごろまで原神やってたから。あと、本ブログでの初顔出しになりますが、右の女の子が僕です。

 


チチコグサはこれ。ハハコグサと異なり、葉に綿毛はありません。葉も細長いです。

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これはウラジロチチコグサ。名前のとおり、葉の裏が白いのが特徴です。毛は生えず、葉に艶がある。

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これはたぶんチチコグサモドキ。チチコグサモドキの葉には綿毛が生え、葉のヘリが波打つのが特徴です。

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そして先程の写真に戻ると、全体的に多くの綿毛で覆われていて白っぽくなっていること、上記のチチコグサ系の特徴を持ってなさそうなことから、おそらくハハコグサと同定していいと思われます。

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アンバーちゃん!たぶんこれがハハコグサだよ!

 

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よかったね!わたしはこっちで焼き芋してるね!

 

そうそう、しらたま家では新年に焼き芋をするのが恒例です。うちで作ってるさつまいもはシルクスイートという品種です。

 

 

 

 

 

七草ではないんですが、タネツケバナもありましたよ。

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タネツケバナナズナはどちらもロゼットだし、ブロッコリー型の白い花を咲かせる点でも似ているけど、ナズナの葉が荒い鋸歯のような羽状なのに対して、タネツケバナの葉は左右対称に小さな葉が連なるような羽状をしています。タネツケバナはクレソンに似た食味で美味しいとのことですが、以前食べたときにはなぜかあまり美味しくなかったんですよね。

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コスト度外視で肥料を与えまくった我が家の畑でぬくぬく育ったタネツケバナは美味しいのでしょうか。

 

 

 

ハコベは小さくて処理が面倒くさそうだったのでパス。元気に育ってくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

戦利品

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採れたのは春の七草のうち2種類だけということになりましたが、まぁいいでしょう。

 

 

 

 

 

本当は野草を下茹でして入れたほうがいいんですが、お粥に直入れしました。灰汁の強い野草はないし大丈夫やろ。

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ナズナ
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味がやはり濃いですね。香りは大根葉なんですが味の濃さはキャベツの外葉やブロッコリーの葉を連想させる。

 

タネツケバナ
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クレソンっぽくて爽やかですね。花茎と思われる固い茎がたまにあるけど許容範囲です。

 

オニタビラコ
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キク科の植物だけあってそちら系統の風味です。タンポポに似てるけど繊維が柔らかくて食べやすい。

 

ハハコグサはどこ?量採ったつもりだったけど、年末からの雪のせいか褐変した葉が多くて、可食部が少なくなってしまい見つけられません。たまに噛み切れない奴がいるなと思って都度吐き出してたんですけど、たぶんそれがハハコグサですね。綿毛が噛み切れないんじゃ…

七草粥を今まで食べたことなかったのでよく知らないんですが、七草はみじん切りにして入れるのがひょっとして正解なのか。七草とはいえ野草なので繊維の強い個体もあり、しかもハハコグサのように綿毛に覆われているやつもいるとなると、それがよさそうです。

 

 

 

 

 

 

七草粥めいたものを食べたので、今年一年無病息災でガチャ回します。

 

 

 

(採取日: 2022. 1. 3)

 

 

 

【ご参考】

Genshin Impact – Step Into a Vast Magical World of Adventure

イチゴノキの実は観賞するだけでいい

 

自宅から最寄駅までの道すがら、とあるデベロッパーのオサレな建物があるのだが、その敷地内にいろんな草木が植えられている。ローズマリーがその建物を囲うように植えられているので、煮込み料理を作るときに大変重宝している。

あとは南米のフルーツであるフェイジョアの木などがあるのだが(実をつけているところは見たことがない)、今の季節だと、赤くて美味しそうな実をつけた木がある。

 

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イチゴノキ(ストロベリーツリー)というらしい。実は遠目に見ると木苺系の見た目で、そう名付けたくなるのもよくわかる。安っぽいオーナメントをつけているみたいで、めっためた可愛い。

イチゴはバラ科であるが、イチゴノキはツツジ科。葉の形も花の形もまるでイチゴとはちがう。味はどうなのか。

 

少し頂きました。デベロッパーさん、いつもありがとうございます。

 

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…なんだこの果物らしからぬ食感は。トロッとしているというか、ねっとりしているというか、ねっちりしているというか、瑞々しさが全くない舌触り。他の果物ではポポーとかドリアンの食感に近いが、それらよりもねっちり感が強い。一番近いのは粉っぽいカスタードクリーム。加熱と練りが足りないカスタードクリーム。

 

そして未成熟の種子なのかわからないが、固い粒々がたくさん入っている。それがまた固い。ラズベリーの種の比ではない。そしてその粒々を頑張って噛み続けると出てくるほのかな青臭さ。

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甘いかと言われると、甘くなくはない。限りなく甘くないに近い甘い。酸味はない。苦味もない。あるのはわずかばかりの甘味。虚無の味と言っていい。

 

もっぱら観賞用植物として生育されている果実の味はこんなもん。はっきりわかんだね。

 

 

(採取日: 2021.12.22)

毒に怯えながら食べるフジの実が美味い

 

子どもを公園に連れて行ったときのこと。さくっと食べてみようとずっと思っていたがまだ試していない食材があったことを思い出した。

 

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フジ。その種(豆)を食べます。

小学校や公園によく植えられているお馴染みの植物なので詳しく説明する必要はないと思いますが、4〜5月に花が咲き終わると、初夏に豆果(豆サヤ)が付き始めて、秋になると豆が成熟するにつれサヤも褐変し、完全にサヤが乾燥するとパチンと豆が飛び出して種子散布に至る。その豆を食うのである。食うのです。

 

 

種が落ちるのは秋。もう12月なので種はないかもしれないと思いながら探してみると、ありました。

 

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なんか木の根本に集められてるんだけど。子どもが拾い集めてここに捨てたんだろうか。しかもなぜいくつか皮が剥かれているんだ…。怖いからこういうお膳立てはいらない。

でも深くは追及せず頂いていきます。

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ちなみにこれがサヤですね。
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フジの豆って、いかにも食べられそうな見た目してるじゃないですか。マメ科の植物ですし、それって名実ともに豆ってことじゃないですか。なので、食べるうえでの心理的ハードルは高くないんですが、フジにはがあるという前知識があったので、ちゃんと調べるまでは手を出すのを躊躇っていたのです。食べすぎるとお腹を壊すとかお腹が緩くなるとか何とか。

 

まず想定しておくべき毒はレクチンで、これはマメ科植物に広く含まれる成分である。十分加熱すれば全く問題ないのだが、生や加熱不十分のまま食べると下痢や嘔吐などの中毒症状が出る可能性がある。2006年にテレビで白インゲン豆の健康効果が紹介されて、加熱不十分のまま白インゲン豆を食べた視聴者による中毒が相次ぐという出来事もあったらしい。

【政府情報】 白インゲン豆の摂取による健康被害事例に関するQ&A 2006/5/24 – H・CRISIS

レクチン以外には、樹皮にウィスタリン、種にシチシンという成分が含まれているらしい。あるサイトにはこのようにある。

藤の樹皮には有毒なウイスタリン(wistarin)、種子にシチシン(cytisine)等が含まれているとする報告もある。

*シチシン(cytisine):毒性のあるalkaloidで、過剰摂取は呼吸を妨げ、死に至ることもある。
*ウイスタリン(wistarin):藤類の植物体にはウィスタリン配糖体が含有まれており、有毒であるが、少量で腹痛等の薬として利用されることがある。

 

出典: 医薬品情報21 2015/7/21『フジについて』

医薬品情報21 » 2015 » 5月 » 27

 

シチシンは分子構造がニコチンに似ているので禁煙治療にも利用される。

ネット上には「フジの実を食べ過ぎるとウィスタリンが腹痛や下痢を引き起こす」と書いている人が散見されるが、その症状はむしろレクチンによるものではないかという気がする。

 

この「食べ過ぎはよくない」系の言説は非常に曖昧で、銀杏も食べすぎると最悪の場合死に至るような食材であるが、致死量は大人で数十粒から数百粒とされていて、結局人によって差があるとしか言いようがない。フジの実もおそらくその類だろうとは思うが、銀杏が人々の食材として膾炙しているのに対して、フジの実が食材として認識されていないのは、銀杏よりも危険性が高いか、単純に食べる価値がないかのどちらかなのでしょう。

今回持ち帰ったのは十数粒。ウィスタリンとシチシンの件はよくわからないけど、レクチンの不活性化のためよく熱したうえで食べてみることにします。色んな人が実食しているし、その辺の人よりも胃が丈夫な私なら大丈夫でしょう。こういう過信が命取りになるんだよ。

 

 

 

 

 

フライパンで素炒り。けっこうでかい音を立てて勢いよく爆ぜるのでびびる。

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皮は薄いので手で剥けます。
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なんだこれは、予想以上に美味いじゃないか。程よい甘み、そしてしっかりとしたコク。流石はマメ科植物、大豆や空豆と同じ系統の味だ。素揚げにするとイカリ豆(空豆を揚げたやつ)みたいになるんじゃないだろうか。塩を振れば酒のアテとしてもなかなか良い。

皮を剥くのが面倒くさくなってそのまま食べ始めたけど、全然気にならない。拾ってきて炒ればもう食べられる。しかも美味い。優秀だこれ。

秋に拾える食べられる木の実というと、フジの実よりもまず先にスダジイマテバシイなどの可食ドングリが思い浮かぶし、実際食材としての認知度も高いのだけど、去年食べたマテバシイよりもこのフジの実の方がはるかに美味い。マテバシイは粉に引けば応用がきくんだろうけど、丸ごと食べると言うほど甘くないし冷めると固くなるしで、こんなもんかと思ったものだった。

 

食味的にはフジの実はもっと評価されて然るべきだけど、そういえばこいつには毒があるのであった。炒った実をひょいパクしていたが、10粒目くらいを食べたところで「毒、大丈夫かな」と今さら日和はじめた。

 

 

こうして私は生きていますが、食べた翌日ちょっとお腹が緩かった気がします。単にここ数日の食生活によるものなような気がしますが、ともかく、ちょっとつまむくらいなら素晴らしい食材だと思いました。

 

 

(採取日: 2021.12.20)

 

かりんのジャムを煮たけどたぶん失敗した

 

秋になると果物はなにもかも忘れてしまって

うっとりと実っていくらしい

 

八木重吉

 

 

言い得て妙やなあ。なあ かりんくん、君もそう思うやろ。

 

\ナカナカ エエコト ユウテルヤナイカ/

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なぁ かりんくん、君は香りはすこぶる良いのに、なんで食べられないのかね。

リキュールに漬けて果実酒として楽しむとか話には聞くけれども、実家の庭のかりんの実が酒に漬け込まれたことなどかつて一度もない。柿の葉といっしょに畑で燃やされる姿を見るだけである。

 

 

 

 

しかし余りにもいい香りだったので、とりあえず実家から引き取ってきた。

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この香りだけかいだら、いかにも甘くてジューシーな味がしそうだが、微塵もそんな美味しい要素がないからすごい。残念美人にもほどがある。どうでもいいが、中学のころ出席番号が14だったという理由でジューシーというあだ名をつけられた奴がいた。

 

 

 

 

そういえば一時期よく観ていたNHKの『やまと尼寺精進日記』でかりんのエキスを煮詰めたジャムを作っていたことがあった。

「かりんジャム」 - やまと尼寺 精進日記/献立帳 - NHK

調べてみると、果肉を残したかたちでジャムを作る方法もあるようで、せっかくなのでそちらで作ってみる。

 

 

 

 

 

 

包丁で切ろうとするが、大変固い。新鮮なかぼちゃくらい固い。

中はこんなふうになっている。中は薄いオレンジ色なんですね。
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表面が茶色になっているものは、中も茶色になっていて食べられそうになかった。
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いろんなレシピを見ても必ず書いてあるのが、皮と種は調理に使うということ。

ジャムはどんな食材を使うとしてもだいたいその食材を砂糖で煮るだけなのだが、あのとろみは食材がもつペクチンという成分によるものである。植物の細胞壁、とくに柑橘類やリンゴなどの果皮に多分に含まれている成分で、ゲル化作用をもつ。ふつう、果物をジャムにするときには果皮ごと使うため、そこに含まれるペクチンによりジャム全体にとろみが生じる。

かりんの可食部は果肉だけだが、果肉だけではペクチンが足りないので、ペクチンの多い皮と種を煮出してペクチンを抽出しておき、ジャムに加える必要がある。


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皮と種を20分ほど煮ると茹で汁にとろみが出てくる。
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果肉は刻んで塩水に漬けてアク抜きしておく。

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果肉、ペク汁、砂糖を入れて煮る。f:id:shiratamarr:20211217203035j:image

赤い。かりんのど飴的なものってたしかにこういう色してるよね。そして匂いもかりんのど飴的な雰囲気があると言われればそんな気がします。かりんのど飴ってどんな味だったっけ。

そして思った以上に、果肉が切ったときの形を保っている。

とりあえずひとかけ食べてみましたが、けっこう渋みが残っている。このままでは食べるのはきついかもしれないと思って困っていたところ、あるレシピには「一晩寝かせると渋みが消える」との情報が。これは朗報。

マッシャーで潰して、瓶に移し替えて冷蔵庫に入れておきます。

 

 

 

 

 

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実食のためにヨーグルトを準備しました。僕はもっぱら小岩井の生乳100%ヨーグルトしか買いません。たぶん一生これを食べ続けると思います。

小岩井乳業株式会社|商品紹介|ヨーグルト|小岩井 生乳(なまにゅう)100%ヨーグルト 400g

 

出来上がったかりんジャムです。

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うん!渋い!

渋みまったく消えてねえ。そもそもアク抜きが足りてなかったんだろうね。果肉をゴロゴロに切ったから、もっと細かく刻んで塩水にさらすか、もっと長時間アク抜きすべきだったかもしれない。

 

あと、果肉を荒潰ししただけでは食感が強いですね。ジョリジョリガリガリという感じ。洋梨の果肉ってザラザラした舌触りがあるけど、あのザラザラ感を20倍強くして繊維を増強した感じで、あまりいい食感だとは言い難い。果肉を食べるのであれば、ミキサーで攪拌するくらいでよさそう。果肉を使わずにエキスだけを使って作る方法は、その点で合理性があるように思えます。

 

食感はともかく、渋みは今からではどうしようもないので、パウンドケーキか何かに混ぜて誤魔化しながら食べるしかないですかね。

 

初調理だったので今回は失敗でしたが、おかげで調理のポイントはだいたい分かりました。失敗することで人は成長するんだよというお話でした。

 

 

(採取日: 2021.11月某日)

 

 

金木犀の砂糖漬けを使ってスイーツを作って食べたらひとり時間を楽しむ系OLのカオリ(24)になった

 

金木犀が咲くとなんだかウキウキしてきます。大人だけではなく、小さい子もあの香りにはうっとりするようです。この前なんて、「ほら、金木犀の花だよ」といってうちの子を抱っこして花の匂いを嗅がせてあげたらすげえ勢いで花を食い始めてて草

 

 

 

 

ご案内のとおり、小生は野食趣味を持ちますので、金木犀を見ると今年も花を摘んで砂糖漬けにしようかなと思うわけです。

しかし、ふと冷蔵庫を開けたところーーー

なんということでしょう、1年前に仕込んだ砂糖漬けが、ほぼ消費されないかたちで残っているではありませんか。

冷蔵庫の上段の右半分がなんかいっつも埋まってんな早くスペース空けろよと思ってたら、僕が仕込んだ砂糖漬けの瓶でした。

 

 

去年の様子↓

* 過去記事内では、「シロップ漬け」と呼んでいるが、もはや砂糖がカッチカチになっているので本記事では「砂糖漬け」と呼んでいる。

 

仕込んだ当初は砂糖漬けをお湯とか紅茶で割って飲むつもりだったけど、僕は圧倒的にコーヒー派だし、紅茶に入れても意外と紅茶の香りが勝ってしまうので、2,3回飲んで辞めてしまった。自分に合う食べ方じゃないとダメだ。

 

ちなみに今の砂糖漬けの状態はこんなかんじ。カチコチ。

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思いつくものを順次試してみる。

 

金木犀というと、中国では白ワインに金木犀を漬け込んで熟成した桂花陳酒という酒がある。一度飲んだことがあるが、金木犀の高い香りがしつつ、ストレートで飲んだためか熟成した白ワインがガツンとくる印象だった。

桂花陳酒とはどんなお酒?味わいや度数、おすすめの飲み方まで - macaroni

 

シンプルに白ワインに金木犀の砂糖漬けを入れるとどうか。

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悪くないですが、たっぷり入れて甘々にするくらいがいいかもしれない。中途半端に入れると、ワインのドライさと金木犀の香りの甘さが噛み合わない感じがする。いっそアイスバインにするか、お酒ではなくてふつうに白ブドウジュースが良さそう。

 

 

 

とはいえ、白ワインと金木犀の組み合わせがその道では鉄板のようで、私が野食に足を踏み入れるきっかけをくれた(原因となった)せつなさんもやっていた、白ワインのゼリーを作ってみる。

 

できた。
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金木犀と白ワインの香りが調和していてなかなか美味い。見た目も超絶かわいい。

白ワインに金木犀の砂糖漬けと追加の砂糖を入れて火にかけてアルコールを飛ばし、ゼラチン溶かして固めるだけ。日和らずに砂糖はたっぷり入れたほうがいい。火にかける時間が短かったのか、アルコールが残っていたようで、食べたらいい気分になってしまった。

今回はワインは希釈せず原液のまま煮立てたのだが、ワインの旨みというのか、酒感がガツンとくるので、個人的な好みとしては少し希釈したりジュースを混ぜることで、優しい口当たりに仕上げたらよかったなと思う。

あと、これは僕がゼリーを作り慣れてないからなんだけど、ゼラチンの量が多かったようでプルン!プルン!という感じの仕上がりになってしまった。もっとゆるめのジュレっぽくすると一層雰囲気が出るだろう。

余談だけど、ゼリーもジュレも全く同じものなのに、日本ではそれを何語で言うかによって指しているモノが変わるというこの言語文化、訳分からんので何とかならないですかね。

 

作り方が拙かったため最大限のポテンシャルを引き出してあげることができなかったが、ゼリーは金木犀料理のひとつの頂点じゃないだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

さて、金木犀の砂糖漬けは中国では桂花醬と呼ばれています。先ほどの桂花陳酒といい、中国には金木犀の花を食として楽しむ文化があります。

ならば中華スイーツには合うだろうということで調べてみると、「杏仁豆腐に乗せると美味しい」との情報。これは確かにありかもしれん。

 

タニタ食堂の杏仁豆腐。

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もちろん不味くはないけど、完全に金木犀が杏仁の香りに負けてる。見た目は良いんだけどね。

 

 

じゃあパンナコッタの方がいいのでは?ということでやってみた。

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杏仁豆腐もパンナコッタも見た目がほぼいっしょだからね、同じような写真になっちゃったね。仕方ないね。

パンナコッタの方が金木犀の香りが感じられていいですね。

しかし、なんかこう、しっくりはこないんですよね。果物のジャムを乗せた方が美味いよねと思ってしまう。いくら金木犀の香りがあるとは言え、モノはただの砂糖とハチミツなので、当然と言えば当然。香りを楽しむものであって、それ以上ではないのかもしれない。

 

 

 

 

どうも酸味があるものと合わせる方がしっくりくる。ならばヨーグルトはどうか。
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悪くないですね。杏仁豆腐に乗せてニンニンするくらいならこっちの方がいい。やっぱりヨーグルトの香りに埋もれがちだけれど、杏仁豆腐ほどは隠れていない。金木犀の粒々感が、昔実家で宅配してもらっていたヤクルト ジョアのミカン味*を彷彿とさせ、懐かしさをもたらしてくれる。

 

* 今はもうないらしい。 ジョア|TOP

 

 

 

 

 

 

 

 

いろいろやってきましたが、本当に作りたかったのはパウンドケーキなんです。時間がなくてなかなか焼けなかった。満を持して焼く。

 

私は料理を作るときは分量を計らず適当に作るのが常なので、分量や工程がきっちりと決まっているお菓子づくりがどうも苦手です。そんな私が昔から気軽に作ってきたお菓子のひとつがパウンドケーキ。とはいえ、バターと玉子を常温に戻しておかないといけないところを毎回忘れるし、すぐ腕の筋肉が疲れるクソ雑魚美少女なのでブランシール(バターとか玉子をしっかりと混ぜて空気を含ませること)もロクにやりません。もちろん玉子を別立てしておくなんてこともしません。そんなこんなで出来上がるパウンドケーキはふわふわにならず、しっとりどっしりになります。は?俺はもともとそういうパウンドケーキが好みなんだよ(キレ気味

バター・砂糖・小麦粉の分量はわかりやすく同量で作ります。カロリーを気にして菓子が作れるか。

 

ちょっと酸味があると金木犀が映えるということはわかったので、仕上げにレモン果汁と砂糖漬けを混ぜたナパージュもどきを表面に塗って完成。

 

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これは美味い

 

最初からパウンドケーキ作っていればよかったですね。これが私にとっての金木犀の正解ですありがとうございました。金木犀の香りもしつつ、パウンドケーキの枠にきちんと収まる程よい香りに仕上がっていて、決して物珍しいだけのイロモノにはなっていない。もっと香りを出したければ仕上げのナパージュで調整すればいい。

 

私はいつもてんさい糖を好んで使っているので、パウンドケーキを焼くときもグラニュー糖ではなくてんさい糖を使いました。これが独特のコクというか、キャラメルを入れたような香ばしさを生み出している気がする。

 

 

 

 

さて、風呂に入ってパジャマに着替えましたし、カフェインレスのコーヒーを淹れて、パウンドケーキを食べながら秋の夜長を楽しみますかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近、金木犀女子というのが流行っているらしい

 

流行を必死にチェックするタイプではないけど、さすがに20代前半の女子としてファッション雑誌くらいは読むようにはしているので、トレンドは一応フォローできている

 

派手ではないけれど、芯があって、実は可愛くて密かな人気がある女子を指すらしい

 

たしかにこういう女子はモテるのだ

 

俺だけがあの子の魅力を解っていると男に錯覚させるような雰囲気だけど、周りの男はみんなそう思っているので、誰からも人気のあるという、そんな女子

 

 

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会社の同期の茜がまさにそんな感じだ

 

そういえば茜は半年前に彼氏と分かれて、またこの前新しい彼氏ができたらしいとコバから聞いた(コバというのはわたしの一番仲のいい同期のことだ)

 

茜は自分から積極的にアプローチするタイプではないけれど、勝手に男が寄ってくるから、彼氏がいない期間がほぼないんじゃないだろうか

 

 

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そういう人生に憧れないわけではないけど、なんだか自分とは世界が違いすぎて、空想してみることもなく、ぼんやり頭に浮かんではすぐに消えてしまう。

 

 

金木犀女子、か

 

 

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そんなことを考えながら、休日に予定もなく、わたしは金木犀の砂糖漬けを使ってスイーツを作ってひとりで食べる

 

透明の結晶に包まれた金木犀は、咲いているときと何ら変わらない香りで、わたしの鼻腔をくすぐる

 

 

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もうしばらくは、ひとりの気楽さと、あったかもしれない人生を思い浮かべて浸るアンニュイとの間を行ったり来たりしながら、なんだかんだで楽しく生きていくのだろう

 

そんな時間の使い方も悪くない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

- Special thanks -

以下のサイト様の画像を使わせていただきました。ありがとうございます。

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