しらたまが道草を採って食うブログ

私ついていくよ どんな辛い野食の闇の中でさえ

食べ頃を逃したナズナでも食べ方さえ気をつければほぼ大根葉

 

この1〜2月で「自宅の敷地内で春の七草を探す」というのをやろうかと思っていましたが、完全に企画倒れに終わりました。西松屋に毎週末行ってたので。

 

なので、申し訳程度にナズナだけでも食べてみようと思ったってわけ。

 

 

f:id:shiratamarr:20210221101512j:image

2月中旬だけど、もう普通に花咲いてます。

 

f:id:shiratamarr:20210221182605j:image

固そう。実際固い。本当にこれ食べるの?

ネットで情報を漁ってみると、新芽の写真を載せてくれている人がいて、その株の小さくて可愛らしい一方、私が手にしている株の逞しさはなんだ。これは確実に食べ頃逃してますね。もっと寒い時期のガチ新芽を採らないといけなかったっぽいです。

おかげでナズナへの期待値を調整することができました。ありがとう、ネットの情報たち。ただし「ナズナの食べ方を紹介!」とか言いながらタネツケバナを食ってるお前はダメだ。

 

 

f:id:shiratamarr:20210221202756j:image
f:id:shiratamarr:20210221202702j:image

 

まとまった量採ってきましたが、ガンガン花咲いてます。

採取日の翌日に調理しようと思って水に付けておいたのですが、なんか大根のにおいがするんですよ。大根って謎の臭さがあるじゃないですか。あれはメチルメルカプタンという硫黄化合物で、大根の辛味成分なんですが、あのにおいがするんですよね。

 

 

 

 

下処理。

枯れた葉はもちろん取り除くとして、どこを食べればいいんでしょうか。

 

 

花茎は食べられるのか。
f:id:shiratamarr:20210221202654j:image

繊維ゴリッゴリで手では折れません。明らかに不可食なので花茎は捨てます。

ただし、先端の花が咲いている側の先端は茎が細いので、手でポキンと折れる範囲に限り食べてみることにします。花茎についている葉も食べてみましょうか。

 

 

まだ花茎が伸びる前のもの。
f:id:shiratamarr:20210221202645j:image

アブラナ科だけあって、菜の花の芽となんとなく出方が似ている気がする。

 

 

根っこ。
f:id:shiratamarr:20210221202657j:image

噛んでみたら木質化してたのでダメです。

野草を採ったらとりあえず根っこも食べることを検討してみるんですが、立派な根っこなのにちゃんと食べられるタンポポはむしろ例外的な存在なんだなと思い知ります。

 

 

f:id:shiratamarr:20210221203335j:image

下処理が完了。ちょっと生で齧ってみます。

… 大根葉だこれ。繊維強いし、表面にけっこう毛が生えていますが、味自体は大根葉にとても似ている。ただし繊維のため食感はシャキシャキではなくボリボリという感じですが、苦味やエグ味は皆無で、ちゃんと食べ物やってますよ。ナズナへの期待値がちょっと上がりました。

 

 

 

 

 

 

 

まずはシンプルにソテーで。f:id:shiratamarr:20210221203355j:image

うん、味にコクがあって、炒めると香ばしい。アブラナなのでニンニクと相性がいいです。

不可食部は取り除いたので噛みきれないほどの繊維は残っていないとはいえ、やはり繊維が強めなのと、それ以上に毛がちょっと気になる。その点で「野菜未満」な感が否めない。食べ頃過ぎてるからしょうがないんですが。

 

花茎が伸びる前の芽。毛も少ないし繊維感も穏やかでやはり食べやすい。
f:id:shiratamarr:20210221203341j:image

 

葉。外側の葉になるほど野性味が強まります。
f:id:shiratamarr:20210221203348j:image

 

花茎の柔らかい部分。手で折れる程度の繊維でしたが、食べてみるとやはり繊維は強め。やむなしですね。
f:id:shiratamarr:20210221203359j:image

 

 

 

 

 

茹でるとどうか。

とりあえず味噌汁に入れてみる。

f:id:shiratamarr:20210221203351j:image

キャベツしか入ってねえじゃねえか。

あ、いました。
f:id:shiratamarr:20210221203344j:image

 

茹でると毛の存在感がいっそう強まります。新芽を茹でたものはかなり美味いらしいのですが、この時期のナズナに関しては明らかに最適な食べ方ではない。

 

 

 

 

 

 

今までの経験からすると、食べ頃を逃して固くなった野草の食べ方はおそらく二通りだと思うんですよ。

 

  1. 細かく刻んで固い繊維を断ち切る
  2. 食感のいい食材と合わせるか、素材自体の食感が隠れる調理法(天ぷらとか)によって、繊維や毛の食感のゴワゴワさを目立たなくさせる

 

 

 

ナズナは刻めば大根葉と同じように使っていいんじゃないかということで、炒め物に入れてみます。

 

刻んだニンニクとショウガを火にかけて、豚バラ肉、カブ、ネギ、ナズナ、納豆を炒める。ここに焼きそばを入れるが、最近デブなので代わりにしらたきを入れてさらに炒める。

塩、胡椒は適宜振るとして、味付けは醤油(本当はナンプラーを使いたかった)、砂糖、オイスターソース、五香粉の合わせ調味料で。

仕上げにレモン汁を絞って完成。

 

タイのパッタイ風の何かです。

 

 

ババーン

f:id:shiratamarr:20210222124645j:image

集中線が集中してますね。

 

 

よりタイっぽく仕上げるなら、砂糖はたくさん入れて甘めにしつつ、最後にレモンの酸味で締めるのがいいと思います。以前タイに旅行に行ったとき、現地入りして早々に食べたフォーの汁が甘くてびっくりした記憶がある。

 

なぜ納豆を入れたのかというと、アジア風の甘辛の味付けに納豆がよく合うのと、冷蔵庫に納豆が12パックあって消費したかったからです。

 

 

ガツガツ食べながら、なんだこのパクチー全然香りがしねえなと思ったら、ナズナでした。

濃い味のなかでナズナの自己主張はほぼなくなってしまいますが、一方で、何の違和感もなく馴染んでいるので「細かく刻んで炒める」という方法はやはり正解だったようです。

 

 

 

せっかくなら、次はナズナの風味が活きる調理も試したいですね。刻んで塩に漬けて、沢山の胡麻と一緒に菜飯にしたらけっこういけるんじゃないかな。刻んだ柴漬けなんか入れたらより繊維感が気にならなくなるでしょう。

 

ナズナは食べ頃を過ぎても調理法に気をつければ美味しく食べられそうです。さすが昔から七草として食べられてきた古参だけあって、野草としてのポテンシャルがかなり高めだと思います。

 

 

それでは、西松屋に行ってきます。今週末はムーニーが安いので。

 

 

(採取日: 2021.2.12)