初めて食べる野草については身の安全の観点から図鑑やネットで事前調査することにしているので、人がどんな食べ方をしているか、どんな評価なのかということは否が応にも目に入ってくる。そのため、食べたときに予想を裏切られるということは少ない。
野草は野菜とは違って、ある程度は繊維が強かったりエグ味があったりするだろうという前提でいるので、そもそもそんなに期待値を高めに設定していないというのもある。
しかし、その辺に生えてるいかにも雑草雑草したやつが予想の上をいったりすることがあって、それがひとつの野草食い冥利だったりする。
今回、予想をいい意味で裏切ってくれたノゲシ。
どうせ美味くないから記事にもならんだろうと思ってたので、撮った写真が大変雑になってしまった。こちらを見ていただいたほうが良い。↓
ノゲシ Sonchus oleraceus キク科 Asteraceae ノゲシ属 三河の植物観察
空き地や河川敷、道路脇など、どこかでお目にかかったことがあるかと思います。背丈が1メートルほどにもなり、小さいタンポポのような花を咲かせる。
ノゲシ(あるいはハルノノゲシ)は、先日、ちょっと時期の過ぎた新芽を茹でて食べました。ものすごく苦いのかと思って身構えていたら、レタスの芯に近いところのような苦味が爽やかで、余計なアク、エグ味、辛味などはなく、しかも繊維がわりと柔らかいので口に残りにくく、総じて食べやすく好印象だった。↓
3月から通っている河川敷にはノゲシがあちこちに生えていて、しかも3月中旬の時点ですでに50センチくらいにまで伸びていた。もしこいつを食べることができれば相当コスパがいいんじゃないか?
茎を折って持ち帰りました。
写真だとわかりづらいけど、茎の中は空洞。直径7〜8ミリもあるけど、手で簡単にポキンと折れる。もっとガッシガシの強い繊維かと思っていたけどそんなことない。
まず茹でてラーメンに添えてみる。
茎。
お、シャキシャキポリポリで美味い。サッと湯がいただけなので少しだけ苦味が残っており、またキク科の野草らしい青っぽい香りはもちろんあるとはいえ、ほぼクセがないと言ってもいい。茹でた上で水にさらして苦味を取れば、さすがにレタスほどの甘みはないがレタスの芯に近いところみたいな味だと言っていい。太い茎なのにこんなにフレッシュなのか。
つぼみはどうか。
この食用キクに似た風味は人によって好みは分かれるけど、おつな食べ物として全然いける。たくさん食べるものではないが、天ぷらにしたらこのクセがちょうどいい塩梅になると思う。ただ食感がちょっともそもそするかな。
葉っぱは想定通りの味だったので特筆すべきところはない。
全く期待してなかっただけに感動してしまったのでもう一品作ります。炒め物にしたかったけどそれほどの量が残っていないのでチャーハンにするしかない。
仕方なチャーハン
下処理せずにいきなり炒め始める。
やっぱり美味い。味の濃い料理に使うと、苦味が適度なアクセントに変わってよい。炒める前にしっかり水にさらしたら空芯菜みたいに使えるんじゃないかな。
問題は、今回とった株は成長していたとはいえまだ3月時点のものなので、暑くなってさらに成長した株も同じように食べられるかということですね。追加調査する価値は十文ありそうです。
(採取日: 2021年3月14日)