しらたまが道草を採って食うブログ

私ついていくよ どんな辛い野食の闇の中でさえ

スイカの白いところでキューカンバーサンド作った

 

注意: 今回の記事には野食は全く関係ありません。すみません。

 

 

 

 

 

 

野食をやっていて実感するのは、「野草って意外と美味いんだなあ」ということではなく、「野菜って本当にすごいよな」ということです。それは、一番思うこと(空気公団の歌詞)。普段、そのへんに生えている野草を美味い美味いって言って食ってますけど、どうあがいてもたいていは野菜のほうが100倍くらい美味しいわけです。人類が長い歳月を重ねて改良を重ねた結果が野菜ですから、美味いに決まってるわけですよ。農業はすごいんだよ。

 

こういう感覚になると次は、「野菜がそもそもこんなに美味しいんだから、今まで捨ててた部分も食べてみたら美味しいんじゃない?」と思うようになります。キャベツの外葉をわざわざ捨てる必要なくない?とか、ピーマンの種も食べられるんじゃない?とかです。そんな感じで、スイカを食べ終わったあとに残る白いところも食べることにしたのが今回の記事というわけです。

 

 

 

 

実は私がスイカの白いところを食べるのは初めてではなくて、学生時代にわりと食べてました。学生時代、なぜか節約に凝っていたので、キャベツと玉子と米だけで1週間食いつなげるか試してみたりしていたんですが、その一環で、実家の畑でとれたスイカを食べ終わった後、白いところを律儀に毎回取って料理に使っていました。あと、これは1回しかやったことないですが、ビワの種を食べたこともありましたね。ビワの種にはアミグダリンという有毒のシアン化合物が含まれているので、食べるのはお勧めしませんが(ちなみに、杏仁みたいな香りがします)。

 

 

 

 

今年は約10年ぶりに実家でスイカを育てたらしく、先日もらう機会がありました。

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いわゆる黒玉スイカというやつで、皮が固く、白いところが多い品種でした。なので、赤いところだけ食べるとどうも歩留まりが悪くもったいない感じがしてしまって、白いところを久々に食べてみようと思い立ったわけです。

 

 

 

 

 

 

少し残った赤い部分を削ぎ、外皮を剥いた状態。並べ方には特に意味はありません。
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学生時代、私は料理のスキルがそこまで高くなかったので、スイカの白いところは毎回肉と一緒に味噌炒めにしていました。そこそこ美味しいものの、水気が出てしまい、なかなか味がカチッと決まらない感じがしていました。この経験から私は、あらかじめ塩揉みして水気を切っておくことが重要だと学びました(就活生の面接)。

 

 

 

 

 

 

 

まずはキューカンバーサンド。塩揉みしたキュウリを挟むだけのシンプルなサンドイッチなのですが、これをスイカの白いところを使って作ってみる。池波正太郎が初めて自分で作った料理が白瓜を使ったキューカンバーサンドだそうで、ふとそんなことを思い出してなんとなく食べたくなったのでした。

食パンにマヨネーズと和からしを塗って、そこに塩揉みのスイカの白いところを挟む。これで完成。


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なんか予想してたより5倍くらい美味いサンドイッチができてしまった。

イカもキュウリもウリ科なのでもともと香りが似ているのだけれど、やはりスイカの方が香りの高さがあり、スイカの白いところであってもその香りにはかすかな甘みが感じられるんですよ。そしてキュウリより味が濃い。さらに、食感は全く違っていて、キュウリがサクサクシャキシャキという感じなら、スイカの白いところはパリパリといった強い歯応え。全体的にキュウリよりも個が強く、サンドイッチにしても存在がぼやけることがない。

とはいえ、素材としては味の淡いものであるので、マヨネーズは塗りすぎないようにして、スイカの香りが楽しめるくらいにするのがいい。和からしはたっぷり効かせた方が断然美味いですね。マスタードではちょっと手緩い。和からしの輪郭のはっきりした辛味でこそ全体が引き締まります。

 

反省点として、赤い果肉の部分はきっちり削いだ方がいいです。中途半端な甘みが混入すると途端に甘い果実としてのスイカの顔がチラついてしまい、野菜なのか果物なのかどっちつかずの味わいになってしまう。まあスイカは始めから野菜だけども。

 

 

 

 

 

他には炒め物でも作ろうかと思ったのですが、美味すぎて3日連続でキューカンバーサンドを作った結果、素材を使い切ってしまいました。

もし炒め物にしていたとしたら、塩揉みにしたうえで、長時間炒めることはせず、短時間で仕上げた方が食感を活かせると思います。

あとは冬瓜のアナロジーで麻婆的な煮込みやスープにすることも考えましたが、煮込んでも冬瓜ほどのトロトロ感にはならない気がするし、普通に冬瓜使えばええやんという気もするので、やっぱりパリパリ食感を活かす方向がよいかと思われます。

塩揉みしただけのものをキュウリの代わりに棒棒鶏とか蒸し鶏に添えるのも、悪くはないと思いますが、ちょっと主張しすぎな感がある。キュウリにはキュウリの良さがある。

ネットで見てみると、漬物にするというレシピもあるようですね。

 

 

 

と、いろんなレシピが考えられますが、いかんせんキューカンバーサンドが驚くほど完成度が高かったので、素材が余らない限り、今後スイカの白いところはキューカンバーサンドにしかしないと思います。