しらたまが道草を採って食うブログ

私ついていくよ どんな辛い野食の闇の中でさえ

金木犀の砂糖漬けを使ってスイーツを作って食べたらひとり時間を楽しむ系OLのカオリ(24)になった

 

金木犀が咲くとなんだかウキウキしてきます。大人だけではなく、小さい子もあの香りにはうっとりするようです。この前なんて、「ほら、金木犀の花だよ」といってうちの子を抱っこして花の匂いを嗅がせてあげたらすげえ勢いで花を食い始めてて草

 

 

 

 

ご案内のとおり、小生は野食趣味を持ちますので、金木犀を見ると今年も花を摘んで砂糖漬けにしようかなと思うわけです。

しかし、ふと冷蔵庫を開けたところーーー

なんということでしょう、1年前に仕込んだ砂糖漬けが、ほぼ消費されないかたちで残っているではありませんか。

冷蔵庫の上段の右半分がなんかいっつも埋まってんな早くスペース空けろよと思ってたら、僕が仕込んだ砂糖漬けの瓶でした。

 

 

去年の様子↓

* 過去記事内では、「シロップ漬け」と呼んでいるが、もはや砂糖がカッチカチになっているので本記事では「砂糖漬け」と呼んでいる。

 

仕込んだ当初は砂糖漬けをお湯とか紅茶で割って飲むつもりだったけど、僕は圧倒的にコーヒー派だし、紅茶に入れても意外と紅茶の香りが勝ってしまうので、2,3回飲んで辞めてしまった。自分に合う食べ方じゃないとダメだ。

 

ちなみに今の砂糖漬けの状態はこんなかんじ。カチコチ。

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思いつくものを順次試してみる。

 

金木犀というと、中国では白ワインに金木犀を漬け込んで熟成した桂花陳酒という酒がある。一度飲んだことがあるが、金木犀の高い香りがしつつ、ストレートで飲んだためか熟成した白ワインがガツンとくる印象だった。

桂花陳酒とはどんなお酒?味わいや度数、おすすめの飲み方まで - macaroni

 

シンプルに白ワインに金木犀の砂糖漬けを入れるとどうか。

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悪くないですが、たっぷり入れて甘々にするくらいがいいかもしれない。中途半端に入れると、ワインのドライさと金木犀の香りの甘さが噛み合わない感じがする。いっそアイスバインにするか、お酒ではなくてふつうに白ブドウジュースが良さそう。

 

 

 

とはいえ、白ワインと金木犀の組み合わせがその道では鉄板のようで、私が野食に足を踏み入れるきっかけをくれた(原因となった)せつなさんもやっていた、白ワインのゼリーを作ってみる。

 

できた。
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金木犀と白ワインの香りが調和していてなかなか美味い。見た目も超絶かわいい。

白ワインに金木犀の砂糖漬けと追加の砂糖を入れて火にかけてアルコールを飛ばし、ゼラチン溶かして固めるだけ。日和らずに砂糖はたっぷり入れたほうがいい。火にかける時間が短かったのか、アルコールが残っていたようで、食べたらいい気分になってしまった。

今回はワインは希釈せず原液のまま煮立てたのだが、ワインの旨みというのか、酒感がガツンとくるので、個人的な好みとしては少し希釈したりジュースを混ぜることで、優しい口当たりに仕上げたらよかったなと思う。

あと、これは僕がゼリーを作り慣れてないからなんだけど、ゼラチンの量が多かったようでプルン!プルン!という感じの仕上がりになってしまった。もっとゆるめのジュレっぽくすると一層雰囲気が出るだろう。

余談だけど、ゼリーもジュレも全く同じものなのに、日本ではそれを何語で言うかによって指しているモノが変わるというこの言語文化、訳分からんので何とかならないですかね。

 

作り方が拙かったため最大限のポテンシャルを引き出してあげることができなかったが、ゼリーは金木犀料理のひとつの頂点じゃないだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

さて、金木犀の砂糖漬けは中国では桂花醬と呼ばれています。先ほどの桂花陳酒といい、中国には金木犀の花を食として楽しむ文化があります。

ならば中華スイーツには合うだろうということで調べてみると、「杏仁豆腐に乗せると美味しい」との情報。これは確かにありかもしれん。

 

タニタ食堂の杏仁豆腐。

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もちろん不味くはないけど、完全に金木犀が杏仁の香りに負けてる。見た目は良いんだけどね。

 

 

じゃあパンナコッタの方がいいのでは?ということでやってみた。

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杏仁豆腐もパンナコッタも見た目がほぼいっしょだからね、同じような写真になっちゃったね。仕方ないね。

パンナコッタの方が金木犀の香りが感じられていいですね。

しかし、なんかこう、しっくりはこないんですよね。果物のジャムを乗せた方が美味いよねと思ってしまう。いくら金木犀の香りがあるとは言え、モノはただの砂糖とハチミツなので、当然と言えば当然。香りを楽しむものであって、それ以上ではないのかもしれない。

 

 

 

 

どうも酸味があるものと合わせる方がしっくりくる。ならばヨーグルトはどうか。
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悪くないですね。杏仁豆腐に乗せてニンニンするくらいならこっちの方がいい。やっぱりヨーグルトの香りに埋もれがちだけれど、杏仁豆腐ほどは隠れていない。金木犀の粒々感が、昔実家で宅配してもらっていたヤクルト ジョアのミカン味*を彷彿とさせ、懐かしさをもたらしてくれる。

 

* 今はもうないらしい。 ジョア|TOP

 

 

 

 

 

 

 

 

いろいろやってきましたが、本当に作りたかったのはパウンドケーキなんです。時間がなくてなかなか焼けなかった。満を持して焼く。

 

私は料理を作るときは分量を計らず適当に作るのが常なので、分量や工程がきっちりと決まっているお菓子づくりがどうも苦手です。そんな私が昔から気軽に作ってきたお菓子のひとつがパウンドケーキ。とはいえ、バターと玉子を常温に戻しておかないといけないところを毎回忘れるし、すぐ腕の筋肉が疲れるクソ雑魚美少女なのでブランシール(バターとか玉子をしっかりと混ぜて空気を含ませること)もロクにやりません。もちろん玉子を別立てしておくなんてこともしません。そんなこんなで出来上がるパウンドケーキはふわふわにならず、しっとりどっしりになります。は?俺はもともとそういうパウンドケーキが好みなんだよ(キレ気味

バター・砂糖・小麦粉の分量はわかりやすく同量で作ります。カロリーを気にして菓子が作れるか。

 

ちょっと酸味があると金木犀が映えるということはわかったので、仕上げにレモン果汁と砂糖漬けを混ぜたナパージュもどきを表面に塗って完成。

 

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これは美味い

 

最初からパウンドケーキ作っていればよかったですね。これが私にとっての金木犀の正解ですありがとうございました。金木犀の香りもしつつ、パウンドケーキの枠にきちんと収まる程よい香りに仕上がっていて、決して物珍しいだけのイロモノにはなっていない。もっと香りを出したければ仕上げのナパージュで調整すればいい。

 

私はいつもてんさい糖を好んで使っているので、パウンドケーキを焼くときもグラニュー糖ではなくてんさい糖を使いました。これが独特のコクというか、キャラメルを入れたような香ばしさを生み出している気がする。

 

 

 

 

さて、風呂に入ってパジャマに着替えましたし、カフェインレスのコーヒーを淹れて、パウンドケーキを食べながら秋の夜長を楽しみますかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近、金木犀女子というのが流行っているらしい

 

流行を必死にチェックするタイプではないけど、さすがに20代前半の女子としてファッション雑誌くらいは読むようにはしているので、トレンドは一応フォローできている

 

派手ではないけれど、芯があって、実は可愛くて密かな人気がある女子を指すらしい

 

たしかにこういう女子はモテるのだ

 

俺だけがあの子の魅力を解っていると男に錯覚させるような雰囲気だけど、周りの男はみんなそう思っているので、誰からも人気のあるという、そんな女子

 

 

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会社の同期の茜がまさにそんな感じだ

 

そういえば茜は半年前に彼氏と分かれて、またこの前新しい彼氏ができたらしいとコバから聞いた(コバというのはわたしの一番仲のいい同期のことだ)

 

茜は自分から積極的にアプローチするタイプではないけれど、勝手に男が寄ってくるから、彼氏がいない期間がほぼないんじゃないだろうか

 

 

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そういう人生に憧れないわけではないけど、なんだか自分とは世界が違いすぎて、空想してみることもなく、ぼんやり頭に浮かんではすぐに消えてしまう。

 

 

金木犀女子、か

 

 

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そんなことを考えながら、休日に予定もなく、わたしは金木犀の砂糖漬けを使ってスイーツを作ってひとりで食べる

 

透明の結晶に包まれた金木犀は、咲いているときと何ら変わらない香りで、わたしの鼻腔をくすぐる

 

 

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もうしばらくは、ひとりの気楽さと、あったかもしれない人生を思い浮かべて浸るアンニュイとの間を行ったり来たりしながら、なんだかんだで楽しく生きていくのだろう

 

そんな時間の使い方も悪くない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

- Special thanks -

以下のサイト様の画像を使わせていただきました。ありがとうございます。

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