かりんのジャムを煮たけどたぶん失敗した
秋になると果物はなにもかも忘れてしまって
うっとりと実っていくらしい
言い得て妙やなあ。なあ かりんくん、君もそう思うやろ。
\ナカナカ エエコト ユウテルヤナイカ/
なぁ かりんくん、君は香りはすこぶる良いのに、なんで食べられないのかね。
リキュールに漬けて果実酒として楽しむとか話には聞くけれども、実家の庭のかりんの実が酒に漬け込まれたことなどかつて一度もない。柿の葉といっしょに畑で燃やされる姿を見るだけである。
しかし余りにもいい香りだったので、とりあえず実家から引き取ってきた。
この香りだけかいだら、いかにも甘くてジューシーな味がしそうだが、微塵もそんな美味しい要素がないからすごい。残念美人にもほどがある。どうでもいいが、中学のころ出席番号が14だったという理由でジューシーというあだ名をつけられた奴がいた。
そういえば一時期よく観ていたNHKの『やまと尼寺精進日記』でかりんのエキスを煮詰めたジャムを作っていたことがあった。
「かりんジャム」 - やまと尼寺 精進日記/献立帳 - NHK
調べてみると、果肉を残したかたちでジャムを作る方法もあるようで、せっかくなのでそちらで作ってみる。
包丁で切ろうとするが、大変固い。新鮮なかぼちゃくらい固い。
中はこんなふうになっている。中は薄いオレンジ色なんですね。
表面が茶色になっているものは、中も茶色になっていて食べられそうになかった。
いろんなレシピを見ても必ず書いてあるのが、皮と種は調理に使うということ。
ジャムはどんな食材を使うとしてもだいたいその食材を砂糖で煮るだけなのだが、あのとろみは食材がもつペクチンという成分によるものである。植物の細胞壁、とくに柑橘類やリンゴなどの果皮に多分に含まれている成分で、ゲル化作用をもつ。ふつう、果物をジャムにするときには果皮ごと使うため、そこに含まれるペクチンによりジャム全体にとろみが生じる。
かりんの可食部は果肉だけだが、果肉だけではペクチンが足りないので、ペクチンの多い皮と種を煮出してペクチンを抽出しておき、ジャムに加える必要がある。
皮と種を20分ほど煮ると茹で汁にとろみが出てくる。
果肉は刻んで塩水に漬けてアク抜きしておく。
果肉、ペク汁、砂糖を入れて煮る。
赤い。かりんのど飴的なものってたしかにこういう色してるよね。そして匂いもかりんのど飴的な雰囲気があると言われればそんな気がします。かりんのど飴ってどんな味だったっけ。
そして思った以上に、果肉が切ったときの形を保っている。
とりあえずひとかけ食べてみましたが、けっこう渋みが残っている。このままでは食べるのはきついかもしれないと思って困っていたところ、あるレシピには「一晩寝かせると渋みが消える」との情報が。これは朗報。
マッシャーで潰して、瓶に移し替えて冷蔵庫に入れておきます。
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実食のためにヨーグルトを準備しました。僕はもっぱら小岩井の生乳100%ヨーグルトしか買いません。たぶん一生これを食べ続けると思います。
小岩井乳業株式会社|商品紹介|ヨーグルト|小岩井 生乳(なまにゅう)100%ヨーグルト 400g
出来上がったかりんジャムです。
うん!渋い!
渋みまったく消えてねえ。そもそもアク抜きが足りてなかったんだろうね。果肉をゴロゴロに切ったから、もっと細かく刻んで塩水にさらすか、もっと長時間アク抜きすべきだったかもしれない。
あと、果肉を荒潰ししただけでは食感が強いですね。ジョリジョリガリガリという感じ。洋梨の果肉ってザラザラした舌触りがあるけど、あのザラザラ感を20倍強くして繊維を増強した感じで、あまりいい食感だとは言い難い。果肉を食べるのであれば、ミキサーで攪拌するくらいでよさそう。果肉を使わずにエキスだけを使って作る方法は、その点で合理性があるように思えます。
食感はともかく、渋みは今からではどうしようもないので、パウンドケーキか何かに混ぜて誤魔化しながら食べるしかないですかね。
初調理だったので今回は失敗でしたが、おかげで調理のポイントはだいたい分かりました。失敗することで人は成長するんだよというお話でした。
(採取日: 2021.11月某日)