しらたまが道草を採って食うブログ

私ついていくよ どんな辛い野食の闇の中でさえ

大きくなったアキノノゲシの芯はクセが強くて食感の重いレタスの軸

 

最近釣りに行っても坊主ばかりなので、逆説的に野草採取が捗るというものよ。魚を釣りたいねぇ。

 

 

 

 

 

アシの群生の中に堂々と生えるでかい草。

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アキノノゲシ。レタスの原種として知られる野草(アキノノゲシもレタスもキク科アキノノゲシ属)。

弊ブログで何度も食べているノゲシもキク科だが、こちらはキク科ノゲシ属。アキノノゲシとの対比で「ハルノノゲシ」と言われることもあります。

 

見つけたアキノノゲシは背丈60センチくらいあるご立派なものだったが、手でボキンと折ることができた。
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これほど大きくなった株の葉を食べる気にはなれませんが、茎はこれだけ太いのであれば食べられるのではないか。手で難なく折ることができるものは食べられるという私の経験則上、繊維質の皮と維管束を剥いてしまえばたぶんいける。

アキノノゲシはレタスの原種ということもあり、レタスの野生味を増したような味だという話ですが、どうなんでしょうか。

 

 

 

 

葉は現地でむしったうえで持ち帰りました。こうすると何の植物だかわからないですね。

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はいはいこの断面、予想通り芯が食べられるパターンですね。

 

固いところを剥いて、
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軽く下茹でしてから、オイスターソースベースの調味料で炒めてみた。
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なんかね、ちょっと予想してた食感と違うんですよ。ポリポリっとした軽い食感、もしくはブロッコリーの芯のようなホロっとした食感なのかなと思ったんですけど、歯で噛もうとすると、弾力でもって歯に柔軟に抵抗してくる感じ。さらに強く噛むと噛み切れるんだけど、パツンと組織が弾けるのではなくて少しずつ歯が浸食していく感じ。音でお伝えすると「ギュ…ギュギュギュ……ボ、ボリ…ボリボリボリ」という具合です。ご理解の程よろしくお願いします。

 

食べてみると、どこかで食べたことのある味だが、何の味なのか思い出せない。別の日にレタスを食べたところ、「レタスの芯を美味しくなくした味だわ」と気付きました。事前情報のまんまじゃねえか。

厳密に言うと、その辺で売ってるレタスの芯も大して美味しくはないので、レタスの芯を美味しくなくしたというより、苦味と特有の香りを強くしたという感じです。特有の香りというのは、キク科植物の香りと言い換えてもいいと思う。想像できない方は、刺身の飾りにのっている菊の花を食べたときのあの風味を10倍くらい希釈したものをイメージしていただくといいかもしれない。

 

さらに他のものに例えてみるならば、アザミの根っこを山ごぼうと呼んで食用にするんですが、食感は違うものの風味は似ている気がする。まあアザミもキク科なので当然なんですが。

あとは、食べたのが相当昔なので全然違ってたら申し訳ないんですけど、チョロギのようなニュアンスもある。チョロギってご存知ですか?シソ科の虫なんですけど。

参考画像:チョロギ

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結論として、それほど美味しいと言うものではないですが、採取が容易でアク抜きも簡単なので、非常食的に食べるなら万々歳の野草です。

今回はオイスターソースで適当に炒めてしまったのですが、スライスしてサラダにするとかの方が、かえって苦味を爽やかな方向に活かせたかもしれない。

 

 

(採取日: 2022. 5. 28)