釣りの途中、立派なセンダンの木を見つけた。
ムク…
ムクムク…
シュポンッ!!!
しらたま「わあ!なんだお前は!?」(cv.中村悠一)
サポニン「びびってて草 僕はサポニン!センダンの実に含まれるサポニンだサポ!人間を見るのは久しぶりだったから、思わず声をかけてしまったんだニン!」
しらたま「サポなのかニンなのか語尾を統一してほしい」
サポニン「どうしてセンダンを眺めてたサポか? あ、"サポか"っていうのは語尾の "サポ" に疑問を表す "か" をつけたのであって、ウマ娘のサポカのことではない。ちなみに僕はメイショウドトウちゃんが好きです。内気な子がおっぱい大きいってよくない?」
しらたま「なるほどね、アマガミの梨穂子みたいな感じか」
サポニン「その例えでお前の年齢がだいたい察しつくけど、それはそうとお前はどのウマ娘が好きなん」
しらたま「ウマ娘やってないけど、ライスちゃんいいよね。中の人の石見舞菜香さんは、原神の中で一番可愛くて強いアンバーちゃんっていうキャラもやってるんですけど」
サポニン「原神やってへんから分からんけど、pixivで甘雨っていうキャラのイラストよく見かけるわ、エッチなやつ。かわいいよな」
しらたま「原神キャラのエッチなイラスト許せん。そんな目で原神を見ないでほしい」
サポニン「え、エッチなイラスト見いへんの?」
しらたま「いや、見るけど」
サポニン「アンバーちゃんの?」
しらたま「綾華ちゃんとジン団長です」
サポニン「まぁ続きはあとで話すとして、なんでセンダンを眺めてたのかって聞いてんだよ」
しらたま「あ、はい。センダンの実ってよくヒヨドリとかムクドリが食べてるけど、人間も食べられるのかなって思って」
サポニン「センダンの実にはサポニンが入ってるってさっき言ったサポけど、サポニンは人間にとっては毒だサポ。食べない方がいいサポ」
しらたま「あ〜ヒトデ食べたときみたいな感じになるのか」
サポニン「(こいつヒトデ食うのか…)」
しらたま「サポニンって界面活性剤だし、石鹸みたいに使えたりするのかな?」
サポニン「そうそう、サポニンが多く含まれるサイカチやムクロジという植物は、かつて石鹸として使われていたサポな」
しらたま「じゃあセンダンの実も?」
サポニン「…それは自分の目で直接確かめるのだ」
というわけでセンダンの実を入れて、
水を入れて混ぜる
全然泡立ちませんね。
ではセンダンの実の量をもっと増やしてみる。果皮が厚くて果肉に含まれるサポニンが出てこなかったのかもしれないと思い、一個ずつ実の表面を傷つけてみた。ペットボトルに水と一緒に入れて振ってみる。
小さい気泡ができてはいるけど、泡立ちとはたぶん違う。ちょっと水が濁った気がするので触ってみるとめっちゃ青臭かい。センダンの実って青臭いんだね。
センダンは石鹸にはならないです。
ネットでよくよく調べてみると、センダンの仲間のインドセンダンは石鹸の原料になるらしいが、センダンそのものがそうだとはどこにも書いていない。
僕は再びセンダンの木に戻った。
しらたま「おい、サポニン!出てこい!」
サポニン「なんだお前サポか。今ポケモンで忙しいサポなんだけど」
しらたま「センダンの実使っても全然泡立ちもしねえじゃねえか!」
サポニン「あ、そうなんサポか」
しらたま「お前、知ってて言わなかったんだろ!なんで言わなかったんだよ!?」
サポニン「……だって、そうでもしなきゃ、またあんたに会えないじゃない(ボソッ」
しらたま「え、なんだって?」
サポニン「な、なんでもないっ!バカ!変態!野草食い!お前の父ちゃんコンポタ味!じゃあねっ!」
シュルルン……
しらたま「行っちまったよ…」
そこにはただ青く澄んだ初冬の寒空と、たわわに実るセンダンがあるばかりであった。
たわわ、か。メイショウドトウちゃんいいよね。
(採取日: 2022. 12. 10)