しらたまが道草を採って食うブログ

私ついていくよ どんな辛い野食の闇の中でさえ

ヨシノボリは釣るより掬った方が簡単

 

この夏は暇ができるとよく川(大河川の中流域の河原)で遊んでたんですが、ルアーぶん投げてニゴイ狙う以外のことをしたいなと思い、ふと思いついてヨシノボリを釣ってみることにした。

見てみると河原のごく浅いところのそこここにヨシノボリがいるので、手元にあった袖針にガン玉を付けただけの仕掛けを使って見釣りをしてみる。「あの、すみません お願いが。」「何かな?」「見釣りさせてもらえないでしょうか⋯?」「しょうがないにゃあ…」というやつである。

さっきまでルアーをずっとぶん投げてたので、当然エサはない。こんなときに使うものといえばこれ、そう、エコギアパワークラブの脚をもぎ取ったやつです。

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<ご参考> パワークラブの全体像

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何でもとりあえず食べてみる系の好奇心旺盛(がさつ)な魚は案外これで釣れます。以前ブルーギルもパワークラブの脚で釣りましたね。

<ご参考> 弊ブログ過去記事

 

やる気のあるやつはすぐ食いつきますね。
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やはり好奇心旺盛で、エサを投入すると何匹も近くに寄ってきます。可愛いな。

何匹か釣れるも、ずっとやっているとさすがにスレて反応が悪くなってきたので、やはりここは生エサに切り替えるべきですねということで、岩をひっくり返して川虫でも探しましょうね。川の釣りでは川虫を現地調達してエサに使うのは基本動作とも言えます。パワークラブの脚を使ってるような奴は何やらせてもダメ。

 

さっきから川虫と呼んでいるものは、カゲロウやトビゲラといった昆虫の幼虫の総称で、川の岩の裏に住んでいます。

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もっと近くで見たい?しょうがないにゃあ…

 

私あまり川虫に詳しくないうえ、腹側の写真になってしまったので正直よく分からないんですが、たぶんヒラタカゲロウなんですかね。何であれ、そこに生息している川虫ならそこの魚は釣れるはずなので大丈夫です。

 


明らかにパワークラブの脚よりも食いがいいですね。
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なんか釣れた。比較的大きな目、くっきりとした側線、全体的にスッと細い体。スゴモロコというやつだろうか。
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ちなみに持ち帰ってから見てみると黒い斑点が出ていたので、この点からしてもやはりスゴモロコということでよさそう。スゴモロコは琵琶湖原産の魚なので、この川においては国内移入種ということになる。

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この日の釣りの成果はこんな感じ。楽しかったけど、このサイズの魚を釣って食べようとするのはどうにも効率が悪い。
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後日、子守りも兼ねて同じ川に来ました。今日は釣りではなくタモで掬ってヨシノボリを捕ってみたいと思います。こいついつも子どもと魚捕りしてんな。

 

川底をよくよく見るとその辺にたくさんいるんですよ。これ釣るよりもたぶん掬った方が絶対早いんですよ。

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ほら簡単に掬えた。 一見すると地味な魚ですけど、見てこの体の美しい青。
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体験的に感じたコツとしては、

  • 砂地に石がごろごろと点在しているような場所に多くいる。石のない完全な砂地や、逆に完全な石底のような場所には、いるにはいるが数は少ない。
  • 捕りやすい個体とそうでない個体がいるので、積極的に前者を狙うと効率が良い。捕りやすい個体は、警戒心が薄いのか愚図なのか、そっと網を近づけてもなかなか逃げないやつ。網を近づけておいて、網を奥から手前にスッと素早く引いてくるような要領。

 

1時間そこそこで30匹くらいは捕れました。
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ところで、ヨシノボリにはいくつも種類があるのだが、今回のヨシノボリはどれにあたるのか。

ヨシノボリというと、どの種類であっても両目から口にかけて赤いV字線があるらしいのですが、今回捕れたヨシノボリにはことごとくないんですよね。

一般的なヨシノボリ

(写真: wikipedia)

今回捕れた子

 

なのでウキゴリかとも思ったんですけど、ウキゴリは目が小さめでシュッとした顔つきをしているし、ウキゴリが水中をホバリングをするらしいのに対して今回の魚たちにはいっさいそんなやついなかったので、やはりウキゴリではなくヨシノボリの方だろう。

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(写真: wikipedia)

 

ヨシノボリの種類をしらみ潰しに探したら、いました。ゴクラクハゼというやつみたいです。この子はなんちゃらヨシノボリという名前ではないですがヨシノボリ属に属しており、下記の参考URLによると、ヨシノボリの仲間のなかでは例外的に頭の赤いV字線がないらしい。むしろその一点でほぼゴクラクハゼと同定できる。知らなければ苦労するが知っていれば一発で同定できる系のやつですね。

 

 

 

 

 

種類も分かったので安心して食べましょうね。

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このサイズの魚なので内臓は取らず、腹を押して糞だけ出しておく。

醤油、生姜で下味をつけて、

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片栗粉をつけて揚げ。
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唐揚げにしてしまえば何でも美味しいですが、なんとなく川魚の風味があるようでそれが好ましく、海の魚では得られない良さがあります。

 

 

 

(採取日: 2024. 9月某日)

前から言ってるけどザリガニはエビですよ

 

みんなザリガニって食べたことあるもんだと思ってたけど、食べたことない人っているもんなんですね。家族に聞いてみたら母しか食べたことがなかった。みんなどんな幼少期過ごしてきたの。

 

実家にわが子を連れて行くときは、ほぼ必ず、近くの用水路に魚を捕りにいくのがお決まりになっています。山からのきれいな水を引いてある農業用水で、こんないい環境に住んでいるザリガニが不味いわけがない。そしてこんないい環境にアメリカザリガニを生かしておくわけにはいかない。となれば食べるしかない。

 

個体数は多くないけど、けっこう一匹一匹がでかくて、捕れるとついついはしゃいじゃいますね。手はMy sweetest kuso-gakiであるわが子くんです。

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根こそぎ捕っていくよ
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この用水路ってタナゴがいるんですよ。タナゴはドブガイなどの淡水二枚貝に卵を産みつけるので、二枚貝が生息できる泥底であることがタナゴの生息条件になってきます。今まで確認した限り、ここに住んでるのはヤリタナゴです。

 

メス
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オス

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ザリガニの方はというとけっこう捕れました。
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ザリガニは肺吸虫などの寄生虫の宿主なので、10分くらい茹でるのが無難です。良い水質のザリガニなので泥抜きなどせずに茹でましたが、さすが、灰汁がほぼ出ないですね。

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これは正真正銘エビ。
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味も普通のエビですよ。文句なしに美味しい。ただ歩留まりが悪いだけ。

 

ハサミの肉も食べるよ
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ザリミソ。臭くはないけど、そこまで美味しいとも思わないので強いて食べなくてもいい。
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頭の肉
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もっと大量にとってしっかり料理したいですね。

 

 

(採取日: 2024. 8. 17)

 

熟したゴーヤの赤い種

 

普段私たちが食べているゴーヤは完熟してない状態なわけです。熟したゴーヤ見たことあります?

 

ゴーヤは熟すと黄色くなります。めっちゃトロピカルで甘そうなビタミンカラーですが、果物ではないので甘くはない。

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これを開けると出てくる赤いのが種。

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ねえ あの日見た星みたいじゃない?

赤く輝いてみえるけど 何も住まない星 ーー


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種の周りの赤いプルプルがほのかに甘いんですわ。

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ちょっと青臭いので、例えるなら熟しきってない生のクコの実みたいな感じでしょうか。すごく美味しいってものでもないですが、畑仕事の合間に何粒か食べると気休めになるってもんです。

 

 

(採取日: 2024. 8月某日)

 

フィリピンでバロットを食べた話

 

仕事でフィリピンに行ったのですが、ローカルフードを食べるのも仕事のうちみたいなとこありますよね。

 


ローカルスタッフ「バロット食べたことある?」

 

ワイ「何それ?」

 

ローカルスタッフ「写真見る?w」

 

ワイ「何わろてんねん、見せろや」

 

ローカルスタッフ「これやで」

 

ワイ「これ美味しんぼで見てずっと食べたかったやつ」


みたいな話をしたら、レストランで食べるものではないからよかったら明日買ってオフィスで食べていいよとのこと。オフィスで食べるようなものではないだろと思いつつ、なかなかこんな機会  ないですもんね  乗るっきゃない  このビッグウェーブに。ローカルスタッフからしたら、日本人に食べさせて面白がろうとしたんだろうが、この悪食のしらたま、この程度で動揺はしない。舐めんな。

 


バロットは、鴨の有精卵のなかでヒナがある程度成育した段階のものを茹でたもの。

フィリピンだけでなく、タイやベトナムなど他の東南アジア地域にも同じ食文化がありますね。ちなみにベトナムではホビロンって呼ぶらしいです。緒花の役やってるときの伊藤かな恵さんの声のトーンめっちゃ好きです。

 

 


皆さんにも今後食べる機会が訪れると思うので、現地民から教えてもらった食べ方を詳しく載せておきますね。

 


まず、バロットは市場の露店や行商から買うのが一般的だそう。スーパーにはあまり置いてない。鮮度が落ちやすいので買った早めに食べてください。私がサーブしてもらったときはアツアツでした。

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左のお皿に乗ってるのは塩とビネガー。なんでビネガーがピンク色してるんですか?

 

玉子の両端のうち、より黒っぽく見える側をテーブルに叩きつけてひびを入れます。空洞が多いから殻を剥きやすいのだそう。

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ちょっと殻を剥いたら、中のスープをまず啜って飲む。スープは、茹で卵の茹で汁と鶏肉の茹で汁を3:1で割ったみたいな感じ。ローカルの兄ちゃんが「このスープねwwww ヒナのおしっこなんだよwwww」と小学生みたいなこと言ってずっと笑っていた。お前ちょっと黙ってろ。

 

あとは塩や酢をつけてガブっといってください。

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黄身。ヒナとして育っていくのはカラザなので、黄身はこの段階ではそのまま残っている。茹で卵の黄身と大きくは変わらないが、ちょっと食感は固め。成育段階の問題なのか、ニワトリではなく鴨だからなのかは不明。

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この灰色のような茶色のような部分がヒナですね。卵から鳥になる過渡期の味、としか表現のしようのない味。内臓なのかコラーゲンなのか、コクがいい感じに加わっている。やはり茹で卵よりも圧倒的に味は濃い。

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たまに魚の小骨っぽいものがある。少しずつ骨が形成されているんですねぇ(しみじみ)

写真に写っている羽毛っぽいものは、そうです、羽毛です。食感はもそもそしてますが、よく噛めば口には残りません。

 

 

 

 

バロットはどちらかというと酒のつまみで、基本は夜に食べるものだそう。まあ見るからに明るいうちに食べるものではないわな。

ご想像のとおり、見た目が無理という理由でローカルでも食べない人が多いそうで、その場にいたフィリピン人5人のうちバロットが好きと答えたのは2人だけだった。なんやねん。

 

バロットを食べられたので、今回の出張は大成功だったと言えます。しかし話を聞けば、赤犬、ねずみ、ヘビ、イグアナ、虫各種など幅広い食材をフィリピンでは食べるようなので(フィリピン全土で一般的に食べられているとは思わないが)、それはまた次回出張時の宿題ですね。

 

漁師が捨てたしじみを拾う

 

3歳の息子もついに釣りデビューを果たし、昨年の11〜12月は連日ハゼ釣りをしていた。

 

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ここはしじみ漁やはまぐり漁の船着場になっている港で、漁師さんの邪魔にならない範囲で釣りができるようになっている。

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昼近くになり、船が戻ってきては貝の選別やら清掃やらをしている。そのうちに港の一角でセリが行われて、漁師さんたちが帰っていく。

われわれはめざとくも気づいていた。水揚げ時に船着場の地面にこぼれ落ちたまま放置されているしじみの存在に。セリが終わって数時間が既に経過。漁師さんたちが戻ってくる気配はまったくない。

 

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丁寧 丁寧 丁寧に

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揺れたり震えたりした線で

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描くよ 君の歌を
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しじみといえばそりゃしじみ汁と決まっている。五臓六腑に染み渡るとはこのことよ。

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ただで手に入れたしじみで作った味噌汁はうまいか

うめえんだわ

 

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黒っぽいしじみと薄褐色のしじみが混ざっていますが、汽水域で一般的に獲られるしじみなのでどちらもヤマトシジミでしょう。成長するにつれて殻の色が黒くなっていくようです。

島根県:ヤマトシジミの一生(トップ / しごと・産業 / 水産業 / 水産振興 / 島根の川と湖 / 島根の豊かな川と湖)

 

 

捨てられてから多少時間が経過しても鮮度が保たれやすい冬場限定のアクティビティなので、ご注意ください。

 

 

(採取日: 2023. 12月某日)

 

ジョロウグモは秋の味覚らしい

 

黄色とグレーの縞模様にお尻の赤が映えて、ジョロウグモを見ると、ああ、秋だなあという心地がする。秋の空の青さにこれほど似つかわしい虫はいないと思う。

 

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(Wikipediaより)

 

 

ジョロウグモは虫食界ではとても美味しい虫という確固たる評価を得ているようで、プロになると「ジョロウグモを見ると唾液が出てくる」らしい。どういうことやねん。

今年こそは食べてみようと思い9月頃からずっと機会を伺っていたのだが、なかなか一人でゆっくり採取して料理するタイミングに恵まれず、11月末になってしまった。ジョロウグモは秋に交尾して木の幹などに卵嚢をつくり、冬が来ると死んでしまう。先週から急に気温が下がって冬の気候になってしまったが、ジョロウグモたちはまだ生きているのか。

 

里山を歩き回るが、この前までどこにでもいたのに、姿が全く見られなくなっている。てっきり、クモがいなくなってもクモの巣は残っているものかと思っていたが、この前まであちこちに張り巡らされていたはずの巣は、どこを見ても綺麗さっぱりなくなっている。秋の痕跡が消え、いよいよ本格的に冬が来たのだなという寂寥感に浸る。

 

 

 

歩き回ってどうにか見つけた一匹目。

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手を添えているのは単にカメラのピントを合わせているだけです。

 

噛まれると痛そうなので箸で捕獲していきます。動き自体は速くないので、普通に捕まえられます。

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3匹とれたので帰宅。

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足も縞々なんですよ。可愛いですね。
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グレーの部分がにび色というか鉛色というか、ニュアンスの含んだグレーで綺麗なんですよね。
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立派な口。よく噛んで食べてる証拠ですね。
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素揚げでサクサクと頂きますよ。

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目いっぱい脚が広がりましたね…。脚広げるとやっぱりでかいですね。


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脚はそりゃサクサクです。普通に香ばしくて美味い。一応味を伝えるためにバッタ類の脚と比べてみると、バッタがエビの殻だとしたらクモは魚の骨せんべい。バッタってよく「エビっぽい」と言われることがありまして、エビっぽいというよりも、バッタのよく発達した外骨格の香ばしさが揚げたエビやカニの殻の風味を想起させるということなのだと私は理解しているんですが、そうは言ってもクモとバッタを比べてどちらがエビっぽいかと聞かれれば、まあバッタの方ですよねとなる。クモにはそこまでの香りがなく、骨の柔らかい魚の骨を揚げたような食感と味わい。いずれにせよ普通に美味い。

 

お腹をプチっと噛むと、中の内臓のソフトな食感が感じられます。食べたことのある虫の中ではイモムシ以外はすべてサクサク系、中身が詰まっているとしても身がみっちりと詰まっている(セミの幼虫、コオロギ)ものばかりだったので、内臓を思わせるとろりとしたテクスチャーが虫から現れたことに一瞬戸惑ってしまった。しかし、やはり内臓とか魚卵っぽい旨みがある。中がレアの炙りたらこを皮ごと噛んだ感じのニュアンスに近いような、そうでないような。

あと、ジョロウグモは豆っぽさがあるとも言われるんですが、豆の中でも大豆でしょうか。さすがにセミの幼虫のように、本当に植物の汁を吸って生きてる虫のような強い豆感はないが、いかにもな動物性タンパク質の味とも違う優しみは、「豆っぽい」ととりあえず言い表しておくのがいいのかもしれない。空豆っぽい、と評する人も多いようだけど、空豆を想起するほどの強いパンチはないので、空豆はちょっと大袈裟かな?という印象。時期や食性によっても味が違ってくる可能性はあるので、あくまでも今回私が食べた個体は、ということかもしれません。

 

 

 

 

ジョロウグモは見た目のインパクトの割に「知ってる味」でした。味自体には驚きはないが、それだけに、一度食べてしまうともうただの食材ですね。

 

 

(採取日: 2023. 11. 30)

 

豆柿は熟すと甘いけどタイミングを間違えると渋い

 

秋は野山を散歩するのがよろしい。いろんな実がなってますからね。

 

ムカゴ。私が毎年毎年この時期になると妻の白い目にもめげず採りにいくので、最近では妻もムカゴ採りに付き合ってくれるようになりました。

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ムカゴについて詳しくなりたい方はこちらの過去記事をご覧ください。

 

まだ青いカラスウリ。赤く熟したものはもう食べることは絶対に不可能ですが、若い固いうちなら食べられるらしいです。
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家で切ってみたら中がもう柔らかくなっていたので捨てました。すまんな。

 

アケビアケビの木はたくさんあるけど実に遭遇することは少ないんですよね。
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豆柿。

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それにしても秋の青空に赤い柿の実はよく似合う。

たしか熟した豆柿は甘いんだったはず。色の濃い柔らかくなったものを採ってみます。
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1個目。うんうん、甘い。香りは弱いけどしっかりと甘いですね。皮は薄いので食べてしまってもよさそう。

 

2個目は、1個目より少し熟しが浅いがそこそこ柔らかくなっている。やはり甘いですね。

 

…いや、渋いな。

 

5秒くらい経ってから舌の上に現れるザラザラ感。遅れてくるけど、しっかりとタンニンタンニンしてますねこれ。

 

 

明らかにまだ熟しきってない実も一応食べてみる。色がまだ薄い。
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これは明らかにダメですね。甘みはそこそこあるんだけどね。

 

豆柿は完全に熟したもの、なんなら傷み始める一歩手前のぽちゃぽちゃのものをピンポイントで狙わないとだめですね。

タイミングにさえ気をつければふつうに食べて美味しいし、若いうちは渋くても糖度はあるので干し柿にしてもいいかもしれない。まあ実家に柿の木があるので僕はやりませんが…。

 

 

(採取日: 2023. 10. 20)