そう、静かなる怒りが常に私の中にあるのですよ。
NHKの土曜夕方とかに、ターシャ・テューダーさんとかベニシア・スタンリー・スミスさんが自然に寄り添いながら生活している様子を描いたドキュメンタリー番組がやってて、野に出て野生のいちごを摘んで「これをジャムにするのがこの季節の恒例行事なの」とか言ってて、隣で妻がそれを見ながら「こんなおしゃれな生活したいわん🐶」とか言いながらさけるチーズ食べてたりするんですけど、いやいや、他ならぬ貴女の夫がまさにそんな生活を実践しているのだが?とか思わなくもないわけなんですね。
初夏にヤマモモを採って食す。なぜアメリカの絵本画家がやればおしゃれで、私がやったらオランウータンのエサ集めということになるんですか。東山動物園内にあるヤマモモは飼育員さんが集めてオランウータンが食べるんですが、その話はもう去年書いた。
今年は妻への抗議の意も込めて、ヤマモモ採りにわが子を連れて行くことにしました(結局妻も来た)。
いいですね。
ヤマモモは熟すとぽとぽとと地面に落ちていきます。
ヤマモモのよくある採り方は、地面に傘を置いて木を揺らして実を落とすというやつなんですが、幹が太くてなかなか落ちてこない。あと、ナイロン地の傘でやるとヤマモモの果汁がついてとれなくなるので、やるならビニール傘にすることを強くお勧めします。
直に採った方が早いぞということで、虫取り網で枝をゆすってキャッチしていきます。網に果汁がつかないように内側に大きな袋を重ねています。
上手く採れましたが、ヤマモモの重さで網が破れてしまった。釣り用のネットでやるべきでしたね。
生でも食べつつ、今回はジャムを作っていきます。赤い、まだ熟していない実も気にせず使っていきます。
このくらいの色のやつが完熟。このくらいになると甘い。
砂糖たくさん。酸味の強い果実なので砂糖は控えてはならない。
煮ていく。
なんか表面に浮いてるんですよね。調理開始後にいろんなレシピとか見てみると、「汚れや虫を取るために一度ヤマモモの実を下茹でする」とある。なるほどね。まぁいいや。
今回初めてジャムにするにあたり、一番の不確定要素だったのが種取り。ザルの中でよく潰せばだいたい解決する問題なのか、それとも一粒ずつ手で種を取らなければならないのか。まずはザルの中で潰してみる。
うーん、種の周りの部分はさすがに取れないですね。コスパを求めるなら許容範囲かなとも思うけど、コスパのために野食をやっているわけではないので、結局2時間半くらいかけて丁寧に手で種と果肉を分けました。
果肉を戻して煮詰めていく。
いいですね。
瓶詰めした様子はもうめんどくさかったので写真に収めていませんが、ボンヌママンの瓶に詰めるとたいそうおしゃれです。
クソダサ写真ですが、バタートーストにのせるととても美味い。くっきりとした酸味がこの上ない果実感を出しており、その辺のジャムでは物足りなくなる。
あとはスコーンを焼いて添えたりとか、パウンドケーキに混ぜ込んだりしようと思いつつ、トーストの段階で美味すぎてまだやってないです。このままトーストで消費し尽くしてしまうかもしれません。
みんなもヤマモモのジャムを作ってターシャ・テューダーになろう。
(採取日: 2023. 6. 18)