しらたまが道草を採って食うブログ

私ついていくよ どんな辛い野食の闇の中でさえ

ブルーギルの淡水魚感のなさは異常

 

小学生の頃にブルーギルを飼っていたんですよ(まだ特定外来生物法が施行される前なので、生きたままの運搬や飼育がセーフだった)。毎日、学校から帰ってきたら畑でミミズを掘って餌やりしていましたね。ブルーギルというのは人慣れする魚で、飼い始めてしばらくすると、私が通りかかるたびに「お?ご飯か?」と近寄ってくるようになって可愛かったです。かれこれ2年ほど野外の水槽で飼っていたんだけど、ある暑い夏の日に水温が上がりすぎて茹だって死んでしまった。このときの記憶があり、その後釣りでブルーギルを見かけるたびに、あの時は可哀想なことをしてしまったなと、飼っていた子たちが脳裏をよぎるようになってしまった。

少し悲しい記憶と紐づいているブルーギルだが、そんなわけで私はブルーギルという魚が好きである。特定外来生物ということで悪者扱いされがちだが、本当に可愛らしい魚だと思う。

 

 

 

ある日ナマズ釣りの漁場開拓に行ったのですが、もう何でもいいので魚の引きを味わいたくなり、急遽雑魚釣りを始めることに。そんなときにブルーギルはいい魚ですね、持ってるワームの切れ端で釣れるので。

 

エコギアのパワークラブの脚をむしって使いましょうね。

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良型のブルーギルであろうが超小型のブルーギルであろうが見境なく釣って持ち帰るよ。特定外来生物だからね。
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ブルーギルというのは好奇心の強くかつ警戒心の薄い魚なので簡単に釣れるんですが、さすがにひたすら同じ場所で釣りしているとスレてくるのか反応が悪くなっていきました(「スレる」というのは釣り用語で、警戒心が強まってきて口を使わなくなることを言います)。ブルーギルでもスレることあるんですね。

 

 

 

 

 

もっとたくさん釣りたかったのですが、このくらいで諦めました。
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さて、捌いていくわけですけど、ブルーギルはとにかく鰭が痛いんだよ。少なくとも背鰭は最初にキッチンバサミで切っておくといいです。
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全体的小さいやつが多いので丸ごと揚げて唐揚げにしていく。鱗と内臓を取ったら、骨までしっかり火が入るよう半分に割ります。
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醤油とすりおろし生姜につけて、薄力粉をはたいて揚げる。
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全然臭みがない。

 

お前普段から臭い川魚を食べてるから耐性ついてるだけだろと思うじゃないですか?それが本当に臭みが全くなくて、不肖しらたま、これには驚いているんですよ。地元民にしかわからない話で恐縮ですけど、岐阜県海津市の大江川で釣ったブルーギルなんですよ。大江川ってお世辞にも綺麗な川ではないんですよ。海津という地域は長良川揖斐川という大河川に挟まれて、昔から洪水の絶えなかった地域で、洪水から守るために周りを堤防で覆い囲った輪中という小区画が点在してるんだけど、そこを流れる大江川は揖斐川に洪水の水を排水する水路のような役割を持った実は重要な川なんだけど、っていう話をこの前放送してたブラタモリでやってたんだけど、明治時代に招聘されたオランダ人技師ヨハネス・デ・レーケによって大規模な治水工事が行われたんだけど、そのときに土木工事に従事したのは薩摩旧士族なんだけど、みたいな話を岐阜県民の小学生は4年生くらいの社会科で勉強するんだけど(ちなみに同じくらいのときに岐阜特産の守口大根についても学びます)、その時の縁があっていまだに鹿児島・岐阜両県では教育分野での交流が行われてたりするんだけど、何が言いたいかというとつまり大江川はそんなに綺麗じゃない川なんですよ。その川のブルーギルが全く臭くないというのはしらたま的にもとても驚きだったんですね。

 

【参考資料】ヨハネス・デ・レーケ

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【参考資料】守口大根
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20分くらいじっくり揚げたんだけど、これでもまだ骨が硬いですね、もうちょっと長く揚げるか、あらかじめ骨を出刃包丁で叩いて砕いておいてからおいてから揚げると良かった。三枚おろしにして揚げるのが一番確実ではありますが、個人的な思想として、釣った魚は内臓とエラ以外は極力美味しく食べてあげたいという気持ちがあり、ブルーギルのような骨が太くて顔もそこそこ大きい魚であれば身の歩留まりがすこぶる悪いので、骨も頭も美味しく食べないと大半を捨てることになってしまいます。釣った者の責任としてそこは最低限守りたいラインですね。私が昔飼っていたあの世のブルーギルもきっとそれを望んでいることよ。

 

 

 

(釣行日: 2023. 7. 16)