三重県鳥羽市の答志島に渡るフェリー乗り場の隣に鳥羽マルシェという直売所があります。
鮮魚がとても安くて魚種も豊富にある(写真は完全に撮り忘れた)。中でも目を引いたのがハモで、丸のままの大きなハモが700円とか800円で売られている。袋の中でくるくるっと体が巻かれた状態で入っているので大きさが分かりにくいが、なかなか大きなやつである。ハモなんて捌いたことないけど旅の勢いでこういうの買ってしまいがち。
買って帰って袋を開けてみた。
想像以上にでかかったんだわ。
このまな板、一般家庭用よりも大きい横60センチのやつなんですけど全然収まらないんですね。余裕で体長1メートルある。完全に目算を誤りました。ハモの大きさほんまにわからん けどほしいお前との赤ちゃんbaby
歯が怖すぎる。これで噛まれたら肉に歯が食い込んで、力ずくでは取れないですよ。
さて、まな板に全く収まっていない時点で詰んだ感がありますが、ハモの捌き方なんて知りません。そもそもこういう長い系の魚は捌くのが難しいイメージしかない。もう試合前からビビっている。
とりあえずこちらの動画を参考にさせていただく。
まずは内臓を出しましょう。ちゃんと尻の方まできっちりと開きます。
内臓を取り出せました。まな板に収まるようにしたらこうやって写真に撮るしかない。
3枚におろすこともままならないので、とりあえず半分にぶつ切りし、上半身(上ハモ)と下半身(下ハモ)の2回に分けておろすことにします。下ハモは小田急沿線の人気の街で個人経営のお洒落な雑貨屋さんとかお菓子屋さんが立ち並んでたりする。サカナクションのボーカルの山口さんがゲリラライブとかする。
うなぎの場合は、関西が腹開きで関東が背開きと言ったりしますが、ハモとかアナゴにもそういう流派があるんですかね。とりあえず動画にしたがって腹開きしていきます。
なんか中骨がでかすぎて、逆にどこに刃を入れればいいのかわからない…
反対からも刃を入れて、中骨の除去が完了。
親指よりも太い中骨…
次は背鰭の処理ですが、普通の捌き方だと身を押さえながら背鰭だけペリペリと剥がしていくようですが無理です。なので背鰭のところを切って取り除きます。
あとは腹回りの骨をすき取れば切り身の完成。
ようやく骨切りの作業です。下の写真は身の断面ですが、ハモは身全体にバランスよく小骨が配されています。しかも小骨が硬いので骨切りしなければ快適に食べることができません。
小骨が太すぎて骨切りがうまくできませんね…。骨がなかなか切れてくれない。もはや骨切りではなく、身自体を小骨ごと細切りにしてしまった方がいいんじゃないかというレベル。
なんとか下処理は終了。「完了」という言葉をとても使うことはできない。
一見うまくできてるんですけどね。
ハモを買ったときは天ぷらにでもして夏の名残りを楽しみましょとか思ってたが、今ではどうやってなんとか引き分けに持ち込むか必死で考えている。天ぷらなんて初めから無理やったんや。
とにかく小骨が怖いんですよ。まったく骨切りできてる自信ないですもん。となれば、じっくり唐揚げにして骨までなんとか食べられるようにするしかない。ハモを買った意味…
火が入りやすいように、切り身の真ん中にクソデカ隠し包丁でも入れとくか…
醤油、酒、生姜で軽く味をつけて、片栗粉をまぶして揚げていく。まずは15分程度低音で揚げる。
ちょっと味見。
小骨がそのまま出てきました。誰だよこのハモの骨切りやった奴、全然骨が切れてねえじゃねえか
小骨はy字型なんですね。コイ科の魚の小骨も立派なy字してますが、ハモもそうだったのか。というか小骨・血合骨は基本的にこういう構造なんだろうか。
揚げた身を一度冷ましてニ度揚げ。高温で短時間で揚げ終える。
これだけ揚げると当然味の水分は抜けてパサパサとした食感になってしまいます。残念ながらあまり美味しい代物ではない。
仕方ない、揚げ煮にしますか… 醤油、味醂、砂糖、少しの酢で甘辛く炊きます。
少し冷まして味が染みたところで完成。
ギリギリ引き分けに持ってこれたかなというライン。揚げすぎた一部の身がカスカスになってしまっていて悲しい。ハモに対して本当に申し訳ない結果となってしまった。
敗因があらゆるところにありすぎて反省会どころではないのだが、今回の学びをひとつだけ挙げるとしたら、このサイズのハモの小骨は素人が骨切りの真似事をしたところでどうにもならないので、潔く身を細切りにしてしまった方がいい。ハモといえば骨切りという固定観念は今回で捨てます。
以上、皆さんが巨大なハモを買った際のご参考まで。
(購入日: 2022. 9. 10)