ギシギシという植物はどこにでも生えているザ・雑草ですが、その新芽は山菜のような特有のほろ苦さと風味があって美味しかったりします。「ザ・雑草」って言葉面白くないですか。ともあれオカジュンサイとも呼ばれるくらいには一部で食材として認知されており、すでにこのブログでも過去に食べています。
過去記事
極めてレア度の低い野草なので、普段はまとまった量が採れたり大きな株が見つかったりということがなければ強いて採取しないのですが、それはギシギシの新芽が取るに足りない野草ということでは決してありません。配布キャラは弱いと思われがちですが、使い方をしっかり考えて相応の投資をすればちゃんとダメージを出すことができるみたいな、つまりそういう話です。一番可愛いしね。
参考画像:原神のアンバーちゃん
そういうわけで、条件さえ揃いさえすれば久々にギシギシの新芽を食べたいなと思っていたところに、立派なギシギシの群生地を見つけました。
群生している様子を見せたくてもっと引きのアングルの写真も撮ったんですが、長い枯れ草が覆い被さっているせいでただの茶色い絵面になってしまったので割愛します。
これがギシギシ。ギシギシにも複数の種類があるようですが、不勉強で全く同定ができません。
2月ごろから、白い皮を被った新芽が出てきます。これを採って食べます。
立派な新芽。オカジュンサイという呼び名のとおり、新芽にはネバリがあるんですが、けっこう葉っぱが伸びてきてしまっているのでこういうやつはネバリが薄いかもしれません。
ネバリのせいで素手では採りづらいので、軍手とカッターを使うのがいいです。この日は軍手もカッターもなかったので、頑張って爪を立てて新芽を切るようにして採りました。痛かったです。
あとモリチャバネゴキブリがヨチヨチ歩いていたので写真貼っときますね。
成果。
下処理はまず薄皮を剥くところから。こういう地味な作業を真面目にできる方は野草に向いています。おめでとうございます。
長いまま茹でたほうが水っぽくならず風味もよく残るんじゃないかと思いつつ、後処理が楽なので切ってから茹でてしまった。このように易きに流れて雑な処理をする人は野草に向いていません。
普通に茹でる。まず2分程度茹でて、お湯を捨てて再度水を張って一度茹でこぼす。茹でこぼしのときの茹で時間は軽く1分くらい。アク抜きのために長時間茹でるくらいなら長く水にさらす派です。
一晩水にさらす。途中で1回だけ水を換えました。
ワラビのアク抜きには重曹を使うけど、それ以外の野草・山菜に安易に重曹を使うと、風味が抜けすぎるし食感はグズグズになるし重曹の味が付くので、僕は絶対に重曹を使わないようにしています(過去にやって懲りた)。
ギシギシの風味にはやはり醤油だと思う。とろろご飯に乗せちゃうのとかいい。とろろとギシギシのネバリの相乗効果。
残りは全部かつお節と醤油をかけて食べてしまいました。これ以外にも食べ方があるような気がするけど、たぶんこれが一番美味しい。
もちろん食感は全然違うけども風味の系統はワラビを彷彿とさせるところがある。一番近いのはイタドリの新芽で、ギシギシもイタドリもいずれもタデ科の植物、シュウ酸を多く含むという特徴も共通するので風味も近いのでしょうか。ちなみにシュウ酸は漢字では蓚酸と書き、「蓚」がタデ科のスイバを表す漢字なのだそうです。
山菜に近しい味の野草がその辺の道端とか空き地に生えているなんてロマンがある話です。みんな山に美味しいものがあると思って山に行きますけど、全然足元にあるんですよ。中島みゆきの『地上の星』を聴き直してほしいものだ。
(採取日: 2023. 2. 24)