申鶴復刻おめでとうございます!
仙人である申鶴は花を食べます。私も負けられないゾ、ということで花を食べていきましょうね。
ちょうど近所のハクモクレンが先週見頃になっていました。見頃ということは食べ頃だと解釈しても、あながち間違いではないでしょう。
あ、一週間経ったらもう花が終わりかけてますね…。
先日からの5月並みの陽気と今日の雨のコンボで花の多くが散ってしまった。
まだ褐変しきっていないものだけを拝借。
桜もきれいに咲いています。八重桜の花を摘んで塩漬けにしたいんですけど、近所に八重桜がないんですよね。
ユキヤナギも満開です。普段は地味だけど、花が咲くと他の花にはない迫力がありますね。ユキヤナギを小柳ゆきって言い間違えがち。
それにしても、ハクモクレンって食べられるんでしょうか。花弁が分厚くて食べ甲斐がありそうだなという理由だけで先に採取してしまいました。こういう油断が命取りになるんだよ。
まず、ハクモクレンは生薬になるようです。
薬用には、開花直前の蕾を採取し、軸を除いた後、風で乾燥させます。生薬名は「辛夷(しんい)」です。中国最古の漢方の書物『神農本草経』(250年~280年頃)の上品に収載されている生薬で、「辛雉」「木筆」「迎春」などとも呼ばれています。蓄膿症や鼻炎、鼻づまりなど鼻の病気一般や、頭痛、解熱、鎮咳などに用いられています。
ハクモクレン(白木蓮)とモクレン(紫木蓮〈シモクレン〉)は別種で、モクレンの花はすべて紫です。どのサイトを覗いても基本的にハクモクレンを生薬にするとあり、モクレンとは明確に区別されているっぽい。
一方、白い花を咲かせる点で共通するハクモクレンとコブシは、どちらも蕾が上記の生薬として利用されるとのこと。
【参考:花の見分け方】
モクレン、ハクモクレン、コブシの見分け方 - 株式会社バイオーム
生薬に使われるということは、適量を食べる限りにおいては体に悪影響はないと考えていいかもしれませんが、食材として実食したという情報がほぼ見当たらず、食べる勇気が出ない。
過去にエディブルフラワーではない花を何度が食べていますが、たいてい苦くて、強いて食べるようなものではないんですよね。
とりあえず齧って口に含んでみる(飲み込みはしない)。まずは生で。
柑橘っぽい清涼感があるんだけど、数口噛むと苦味と辛さが広がる。例えるなら、夏蜜柑の皮の表面の橙色の部分を噛んだようなヒリヒリした辛さ。生薬っぽいといえばそうかもしれないが、食べ物と認識できるレベルではない。
1分くらい茹でて水に晒してみるか。
3時間くらい経ったところで食べてみたが、苦味も辛さも少し抜けたくらいで、依然として食べられるレベルになっていない。
数回水を換えて一晩おいた。
だいぶ食べやすくなったとはいえ、成分がまだ残っている感じがします。もっと水にさらせばおそらく気にならないくらいまで抜けると思いますが、結局食べて大丈夫なのかは分からずじまいなので諦めました。
一晩さらしたあとの水。口に含んでみると、花弁を齧ったときと同じ苦味がありつつも、ジャスミン茶のような芳香があり、こういう飲み物だと言って出されればそのまま飲みそうな気もする。
たぶん食べても問題ないんだろうなと思いながらもモヤモヤしている状態なので、今後も可食性についての情報を探りたいとは思いますが、仮に可食だったとしても積極的に再度食べてみたいかと言われると微妙です。お茶だったら飲んでもいいかもしれない。
(採取日: 2023. 3. 25)