さすがの私でも野草を家族にふつうに食わせているわけではなく、一人で勝手に採って食って楽しんでいるだけなのですよ。ただ、大々的にやろうとすると家族が不在の隙にやるしかない。
久々に一人の時間があったので何をしようかと考えていたのだが、野菜のストックがないことに気づき、買い物に行くのも癪なので野草で食事を済ませることにした。家に蕎麦はあったので、何か適当に採って天ぷらにすれば天蕎麦になるわけである。めっちゃ豪華じゃん。
そういえば家の近所にまだ食べてない野草があったと思い、それを調達に。
カラムシ。
山野によく生えているイラクサ科の草。古代の昔から繊維をとるために日本各地で栽培されてきた。名前がグラムシに似ているというだけの理由で、気になっていた野草です。
こんな感じで背が高くなり、伸びた主茎をしごいて繊維をとります。
イラクサ科の野草といえばこのカラムシよりも山中に生えるミヤマイラクサの方が圧倒的に人気で、全草が鋭い棘に覆われていてしかも蟻酸やヒスタミン由来の痛みや痒みが伴うというハンデがあるにもかかわらず、ミヤマイラクサは美味い山菜として名高い。いつかミヤマイラクサを採って食べてみたいものです。
次。アカメガシワ。
これは先日天ぷらで食べましたが、なかなか美味しかったし、その辺に生え散らかしているので今回も採っていきます。
そして、クズ。俺じゃん。
以前クズの新芽を食べたときは、茹でて皮を剥いてだし醤油で食べた。マメ科らしいコクがあってかなり美味しかったが、皮をちまちま剥くのが面倒で、皮ごと食べる方法はないかと考えていたのでした。
クズにはほぼ必ずマルカメムシがくっついている。ころころしてて可愛い。
サクッと揚げました。
付け合わせの小鉢は近所で採ったクサギで作った佃煮です。
まずはカラムシ。食感は大葉。だが大葉から香りを抜いた感じ。これといった風味があるわけでもないが、大葉とか海苔の天ぷらが好きな人は全然美味しく食べられると思う。
アカメガシワ。やはりほんのりとした清涼感がある。カラムシより葉が厚く産毛も生えているので、モチモチ感が加わります。
クズ。想定通り、衣の食感のおかげで皮のゴワゴワ感がかなり軽減されている。もう少し厚めに衣を付ければ尚良かったかもしれない。肉や白身魚で巻いてから揚げるとなかなかお洒落なタネになるのではないでしょうか。
皮の内側は、よく火を通したゴボウのようなホクホク感に、アスパラと枝豆をない混ぜにしたような味で、食材としてのポテンシャルがやっぱり高い。ただ、衣のおかげで軽減されたとは言え、皮の繊維感は否が応にもマイナスに働いていて、皮を剥いて食べるときよりは格段に美味しさが落ちる感は否めない。味をとるか調理の楽さをとるか、難しいところです。
今回は詳しく書きませんが、クサギの佃煮もなかなかいい具合にできて、天蕎麦に華を添えてくれています。
その辺で採った食材でも、いい食事を頂くことができました。欲を言えば動物質もあると良かったのですが、近所の川で獲れる魚はゲオスミン臭いので、どうするかは今後の課題ですね。
(採取日: 2021. 6. 26)