しらたまが道草を採って食うブログ

私ついていくよ どんな辛い野食の闇の中でさえ

家庭菜園のパセリをイモムシに食べられたのでイモムシを食べてみた件

 

今年から家庭菜園を始めました。ミニトマトをメインに、コリアンダーパクチー)、パセリ、シソ、ミツバを育てています。7月初現在、すでにコリアンダーは枯れて種を収穫し終え、ミニトマトは色の付いたものから順次収穫をしているところです。

実家も農業やっているんですが、母が「人間の子どもと違って、植物は愛情をかけたらその分応えてくれるから可愛い」と言っていた。

わかる。

 

 

家庭菜園をやるからには絶対に育てたいと思っていたのがパセリでした。キアゲハの幼虫を観察したいからです。

参考画像↓

キアゲハ

 

この色合い、模様、ムチムチ感。幼虫のなかで一番可愛い。

キアゲハはセリ科の植物を食草とするので、パセリだけでなくニンジン、ハナウド、ミツバなども食べます。

 

 

今年植えたパセリは一株だけでしたが、もしキアゲハが来たら蛹になるまでパセリを追加供給しつづける覚悟で全裸待機していました。

梅雨のため雨が続いていたので数日間パセリの様子を見ずにいたのですが、雨が上がってパセリを見てみると、虫に食べられたと思しき食痕が。キアゲハがついに来たか!?

 

 

 

 

 

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誰?

 

若齢のキアゲハの幼虫は鳥のフンみたいな色合いだし、成長すると緑と黒の縞々に赤い斑点のお馴染みの模様になります。なので明らかにキアゲハではない。

ちょっと尺取り虫っぽい動きをするので、どうもガの幼虫っぽい。

 

見当がつかないのでバイオーム(いきものコレクションアプリ 『バイオーム』| 株式会社バイオーム)で有識者に聞いてみると、キクキンウワバではないかとの提案が。ネットでも調べてみると、たしかにこのサングラスをかけたヤクザの下っ端みたいな顔つきはキクキンウワバの幼虫のようだ。

 

成虫はこんなやつ。

キクキンウワバ

 

あらためて書籍でも調べてみると、文一総合出版の『イモムシハンドブック』第2巻に掲載されていた。ろくに調べもせず有識者に聞いてすみませんでした。

ハンドブックではゴボウ、アズマギク、シオン、ヤマアザミ、フキ(以上キク科)、キャベツ(アブラナ科)、イラクサイラクサ科)などが食草とされているが、ウワバは広食性でとにかくいろんな植物を食べるらしい。

そういえば、昨年琵琶湖畔で採ったオニノゲシ(キク科)についていた幼虫も(おそらく)ウワバだった。キクキンウワバのような顔つきではなかったので、他のウワバだったのだろう。

 

 

 

 

キアゲハではなかったのでがっかりしているうちに、キクキンウワバたちが早くもパセリを食い尽くしてしまった。

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パセリを追加供給する気持ちは湧かないけど、このままにしておくのもかわいそうだ。とりあえず、隣のプランターのシソを少しちぎって近くに置いておき、しばらく考えた末、イモムシたちを食べようという結論に至った。ドクガではないし、パセリを食べていたイモムシだから問題はないだろう。

 

 

 

 

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何の愛着もないガの幼虫なんだけど、こうして手に乗せるとやっぱり可愛く思えてきてしまう。


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茹でた。

 

 

当然ながら、糞出しなんてしていないので、未消化物が中に残っています。未消化物なんて言うから気持ち悪いけど、言うなれば細かく砕かれたパセリです。


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パセリの味だ。

中にパセリが詰まってるからね、そりゃパセリの味だよね。パセリの風味と苦味が強いので虫それ自体の風味はよく分かりません。

 

 

次の子はどうか。

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シソだwwwwww

 

そうか、君は非常食のシソで食い繋いでいたのか。今までパセリしか食べたことなかった君が、シソを食べる決断をするには勇気が必要だったろう。イモムシに想いを馳せたらなんだか泣けてきてしまった。

ウワバが広食性だからといって、ウワバという種が様々な植物を食用にしているということと、ある特定個体が複数の植物を食用にしているということとの間には、当然ながら距離があります。幼虫が蛹になるまでの間に色んな植物を渡り歩いて食べるのか、それともその個体の食性は卵が生みつけられた植物にほぼ依存するのか、どちらなんでしょう。面白いですね。

 

 

 

 

 

来年もおそらくパセリを植えます。来年こそはキアゲハが来てくれるのか、それともまたキクキンウワバか来るのか。とても楽しみです。

 

 

(採取日: 2021. 7. 5)