しらたまが道草を採って食うブログ

私ついていくよ どんな辛い野食の闇の中でさえ

ジュズダマの殻が固すぎて食べるのを断念した

 

自生しているのか植えられているのかは分からないが、近所の水辺にジュズダマが生えている。食べてみましょう。

 

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半分くらいの株はもうとっくに枯れて実もカスカスになってしまっていたので、もう少し早くに採りに来てもよかったかもしれない。

 

中にツチイナゴが隠れてました。いつか集めて食べるからね(予告犯)
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ジュズダマは殻がとにかく固く、試しに歯で噛んでみたら歯が痛みました。絶対に真似しないでください。

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全く希望を見出せないが15分くらい茹でてみる。
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やっぱり希望はありませんでした。
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どうやら殻を割ってパワーで取り出していくしかないようですね。

 

そうこうしているうちに1ヶ月が経過しました。面倒くさそうなのでずっと放置してましたが、さすがにそろそろやらないとね…ブログのネタも他にないし。

 

 

 

とりあえず何も考えずに割ってみると、中身はきれいな白。ハトムギの近縁だけあって美味しそう。
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しかし殻があまりにも固い。ペンチで挟んでひびを入れるのはほぼ無理で、ニッパー的なもので殻を割る、というか切断するしかない。

 

縦向きのジュズダマの実に対して水平にニッパーを入れて(赤い線の方向)、

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殻を取って中身を露出させて、
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どうにかして中身を取り出します。
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実の大きさに対して中のデンプン部分は小さいので、ニッパーを大胆に使っても案外大丈夫でした。

 

 

30分くらいかけて剥けたのがこの量です…

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粥にでもしようと思っていましたが、さすがにこの量なのでそのままボリボリ食べます。

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味はうまいんだよね。

生の麦をそのまま食べたことないから比較のしようはないけど、強い香ばしさがある。

 

ジュズダマはお茶に利用することはよくありますが、穀物として利用するなら石臼でひいて粉にするくらいしかないんじゃないですかね。

諦めて食べたグラノーラも美味しかったです。

 

 

(採取日: 2022. 11. 13)

 

冬のナマズはゲオスミン臭が少ないことの検証をしたかったが過去の記憶が私の公正な判断の邪魔をする

 

 

 

 

明日また来てください。本当のナマズを食わせますよ。

 

 

 

 

 

 

栗田「山岡さんっ!!」

 

山岡「どうしたんだ」

 

栗田「山岡さん、海原雄山に美味しいナマズを食べさせるなんて言ったんですか!?ナマズだなんて泥臭くて美味しくないんじゃないですか?」

 

山岡「ナマズ自体は日本各地、さらには世界各地で食べられてきた魚だ。大型化するから食い出があり、生命力が強いから、川で採ってきて食べるまでの間水槽や池で飼っておくこともできる。普段は水の底にいる魚だから泥臭さを体に溜め込みやすいが、逆に言えば、キレイな水であれば臭みのない上質な白身魚だ」

 

栗田「あ、そういえば、ウナギの代用としてウナギの味のするナマズの養殖が行われているって聞いたことがあります!もともと食性も似ているし、皮のゼラチン質の感じも共通しているとか。考えてみれば、ウナギって海の魚とは違う独特の川魚っぽさがありますけど、美味しいナマズもきっとそんな感じなんですね」

 

しらたま「栗田は一聞くと十理解する賢さがあるんだよな。栗田と同僚だったら絶対好きになってるわ」

 

山岡「そうだ。今でも山間部や清流地域ではナマズが食べられていることが少なくない。川魚には特有の風味があるが、それとは別に川魚の臭さの原因となるのがゲオスミンという物質だ。都市河川のような富栄養化した川では、藍藻類が増え、こいつらがゲオスミンを生成する。これが川魚のアスファルト臭さの原因になるんだ」

 

栗田「やだ、アスファルト臭なんて、食べ物の匂いですらないじゃないですか!」

 

山岡「話は簡単だ。水のきれいなところのナマズを食えばいい」

 

栗田「どこでナマズを捕まえるんですか?」

 

山岡「琵琶湖だよ」

 

栗田「わたし琵琶湖にあまり詳しくないんですけど、琵琶湖ってきれいなんですか?このブログの筆者が琵琶湖好きだから言ってるだけじゃないですか?」

 

山岡「かつて高度経済成長期には工業廃水で汚染されたが、市民の努力で水質が改善されてきた。日本を見渡せばもっときれいな水はあるのは確かだが、それでも琵琶湖は魚を獲って食うには十分なきれいさだ。同じ琵琶湖でも湖の北と南では水質が大きく異なる。水質がいいのは湖の北側だ。時間がない、早速向かうとしよう」

 

 

車で湖北へと向かう山岡と栗田。北陸自動車道滋賀県内を北上する。

 

 

栗田「山岡さん、警備員みたいな人が立ってますけど…」

 

山岡「ああ、このあたりは積雪が多いから、悪天候のときに冬用タイヤ規制区間が設けられることが多い。ノーマルタイヤで走ってる車は、ここから先の高速道路を走れないんだ」

 

栗田「そっか、山道ですもんね。この車はもちろん冬用タイヤを履いてるんですよね?」

 

山岡「 (・ω・) 」

 

栗田「  」

 

山岡「きれいな水にはゲオスミンが少なく、ナマズの体内にゲオスミンがそもそも蓄積されにくい。逆に言えば、汚い水だとしても、ナマズの体内にゲオスミンが蓄積さえしなければ、ナマズは臭くならない」

 

栗田「  」

 

山岡「ナマズは冬場はエサを食べずにじっとしている。ゲオスミンは、水や泥から臭いが移るだけでなく、ナマズが食べたエサを経由して、いわば生物濃縮的な方法でもゲオスミンの蓄積が起こる(たぶん)。だから、冬場に獲れたナマズは、他の時期のナマズよりもゲオスミン臭が少ないんだ(たぶん)。今は12月上旬だ。ナマズはエサを食べなくなってきているが、それでも釣りで狙えない季節じゃない。普通の川で、食べるためにナマズを狙うならこの時期が一番だ(たぶん)。わざわざ琵琶湖に来る必要なんてなかったんだ」

 

栗田「本当に言ってます?」

 

山岡「本当だ(本当だとは言ってない)」

 

栗田「じゃあどうするんですか」

 

山岡「愛知県内の水路群エリアにいく。ナマズの魚影が濃いからな」

 

栗田「明日って約束しちゃった手前、とにかく何でもいいからナマズ調達しようとしてない?」

 

山岡「 (・ω・) 」

 

 

 

 

 

 

 

🦆🦆🦆🦆🦆🦆🦆🦆🦆🦆🦆🦆🦆🦆

 

 

 

 

 

 

 

だいたい上記のような理由で琵琶湖に行けなかったので、代わりに愛知県内の有名なエリアに来ました。この辺りはナマズライギョの聖地みたいな扱いになっているみたいです。

以前冬にナマズを釣ったのもこのあたりの川でした。水質はわりとやばかったんですが、臭みがなくて美味しかったんですよね。

 

一方、5月頃に別の川で釣ったナマズはなかなかのゲオスミン臭であった。

 

 

 

いかにもナマズがいそうな雰囲気ですが、水路なので水深は浅い。冬場はもっと水深のある川の本流に移動しているものと思われますが、まだナマズはいるのでしょうか。

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ワームで川底をネチネチ攻める。


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いましたね。やはり冬は動きが鈍くなるので、エビやヨシノボリのような底をゆっくり動くエサを意識したルアーが効く気がします。

それにしてもここ2年、だいたいの魚をこのエコギアのバグアンツの赤で釣ってる。

 

 

 

 

 

 

捌いていきます。

 

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ナマズの産卵期は春から初夏にかけてですが、この時期のナマズでも卵もってるやつがいるんですね。


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内臓につく謎のにょろにょろした寄生虫。毎回こいつを見かけるが名前がわからない。

 

恒例の胃の内容物チェック。

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あれ、この季節なのにけっこういろんなもの食ってるな。


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エビ


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小魚。体高があるからフナだろうか。

 

これだけエサを食ってるとなると普通にゲオスミン臭がしそう…ちょっと不安が残る。

 

 

捌けた。これをぶつ切りにして、臭い消しのために牛乳につけて、調理に入ります。
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今回はエスニック風に炒めてみようということで、ニンニクと唐辛子を火にかけて、f:id:shiratamarr:20221219191916j:image

 

身を炒めて、クミン、山椒、胡椒を加えて、醤油・オイスターソース・砂糖・レモン汁の合わせ調味料で味付け。だいたいこの合わせ調味料を使っておけばエスニック感出る。醤油の代わりにナンプラーを使えばなおよい。
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お、臭みがない。臭みがない?あることない?いや気のせいかもしれない。いややっぱりある気がする… 過去のゲオスミンがトラウマになっていて目の前のナマズを正当に評価できない。記憶に足をとられて次の場所を選べない。普通に食べればいいものを、ゲオスミン臭が本当にないのかとわざわざ注意して味わってしまう。いつでも捜しているよどっかに君の姿を。

 

二口目を食べてみると、今度は明確にゲオスミン臭い。どうやら腹回りが臭いようです。背中の身はゲオスミン臭はあまりないが、しかしゲオスミン臭がないと言い切っていいのか判断がつかない。腹回りの肉の臭いが炒めてる間に移ってしまったために、背中の肉を食べてるときにもゲオスミンの影を感じてしまうと、そういうことなんだろうか。もしくは、ふつうに背中の肉にもわずかなゲオスミンがいたか。

 

いつゲオスミンがやってくるかわからない恐怖感のせいで美味しかったのか美味しくなかったのかよく分かりませんが、

  • 腹回りの肉を初めから取り除く
  • 今回の炒め物のように、臭い部位の臭いが他の部位に移る可能性のある調理法を避ける

この対策をとっていれば、なんとかなりそうなレベルのゲオスミンではありました。

今回釣った場所は水質が決していいとは言えないところでしたが、この程度のゲオスミン臭で済んだのはやはり季節的な要因によるところが大きいかったのではないでしょうか。自分の仮説が補強される結果になったかなと思います。

 

ナマズを食べる毎にノウハウが貯まってきたことへの喜びはありますが、同時に、ゲオスミンに対するヘイトも確実に蓄積されている気がする。私はどこへ向かっているのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

🦀🦀🦀🦀🦀🦀🦀🦀🦀🦀🦀🦀🦀🦀🦀

 

 

 

 

 

 

 

 

山岡「こうして俺たちの究極のナマズ料理が勝ったわけだが」

 

栗田「負けたんだが」

 

山岡「海原雄山はこのナマズを臭いなどと言いがかりをつけていたが、これは間違いなく究極のナマズだ。どこが臭いものか(臭くないとは言ってない)」

 

栗田「わたしも食べたんですけど、やっぱり少し臭かった気がします。思ったほどではなかったですけど。山岡さんもこのナマズ、食べたんですよね?」

 

山岡「 (・ω・) 」

 

栗田「食べてないんですか?」

 

山岡「 (・ω・) 」

 

栗田「 (・ω・) 」

 

山岡「 (・ω・) 」

 

栗田「 🪓(・ω・) 」

 

 

 

 

(釣行日: 2022. 12. 10)

 

センダンの実は石鹸として利用できるのか

 

釣りの途中、立派なセンダンの木を見つけた。

 

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ムク…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ムクムク…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュポンッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サポニン「しらたまさん、こんにちは!」(cv.小原好美)

 

しらたま「わあ!なんだお前は!?」(cv.中村悠一)

 

サポニン「びびってて草 僕はサポニン!センダンの実に含まれるサポニンだサポ!人間を見るのは久しぶりだったから、思わず声をかけてしまったんだニン!」

 

しらたま「サポなのかニンなのか語尾を統一してほしい」

 

サポニン「どうしてセンダンを眺めてたサポか? あ、"サポか"っていうのは語尾の "サポ" に疑問を表す "か" をつけたのであって、ウマ娘のサポカのことではない。ちなみに僕はメイショウドトウちゃんが好きです。内気な子がおっぱい大きいってよくない?」

 

しらたま「なるほどね、アマガミの梨穂子みたいな感じか」

 

サポニン「その例えでお前の年齢がだいたい察しつくけど、それはそうとお前はどのウマ娘が好きなん」

 

しらたま「ウマ娘やってないけど、ライスちゃんいいよね。中の人の石見舞菜香さんは、原神の中で一番可愛くて強いアンバーちゃんっていうキャラもやってるんですけど」

 

サポニン「原神やってへんから分からんけど、pixivで甘雨っていうキャラのイラストよく見かけるわ、エッチなやつ。かわいいよな」

 

しらたま「原神キャラのエッチなイラスト許せん。そんな目で原神を見ないでほしい」

 

サポニン「え、エッチなイラスト見いへんの?」

 

しらたま「いや、見るけど」

 

サポニン「アンバーちゃんの?」

 

しらたま「綾華ちゃんとジン団長です

 

サポニン「まぁ続きはあとで話すとして、なんでセンダンを眺めてたのかって聞いてんだよ」

 

しらたま「あ、はい。センダンの実ってよくヒヨドリとかムクドリが食べてるけど、人間も食べられるのかなって思って」

 

サポニン「センダンの実にはサポニンが入ってるってさっき言ったサポけど、サポニンは人間にとっては毒だサポ。食べない方がいいサポ」

 

しらたま「あ〜ヒトデ食べたときみたいな感じになるのか」

 

サポニン「(こいつヒトデ食うのか…)」

 

しらたま「サポニンって界面活性剤だし、石鹸みたいに使えたりするのかな?」

 

サポニン「そうそう、サポニンが多く含まれるサイカチやムクロジという植物は、かつて石鹸として使われていたサポな」

 

しらたま「じゃあセンダンの実も?」

 

サポニン…それは自分の目で直接確かめるのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけでセンダンの実を入れて、

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水を入れて混ぜる
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全然泡立ちませんね。

 

 

 

 

ではセンダンの実の量をもっと増やしてみる。果皮が厚くて果肉に含まれるサポニンが出てこなかったのかもしれないと思い、一個ずつ実の表面を傷つけてみた。ペットボトルに水と一緒に入れて振ってみる。
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小さい気泡ができてはいるけど、泡立ちとはたぶん違う。ちょっと水が濁った気がするので触ってみるとめっちゃ青臭かい。センダンの実って青臭いんだね。

 

センダンは石鹸にはならないです。

ネットでよくよく調べてみると、センダンの仲間のインドセンダンは石鹸の原料になるらしいが、センダンそのものがそうだとはどこにも書いていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は再びセンダンの木に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しらたま「おい、サポニン!出てこい!」

 

サポニン「なんだお前サポか。今ポケモンで忙しいサポなんだけど」

 

しらたま「センダンの実使っても全然泡立ちもしねえじゃねえか!」

 

サポニン「あ、そうなんサポか」

 

しらたま「お前、知ってて言わなかったんだろ!なんで言わなかったんだよ!?」

 

サポニン……だって、そうでもしなきゃ、またあんたに会えないじゃない(ボソッ

 

しらたま「え、なんだって?」

 

サポニン「な、なんでもないっ!バカ!変態!野草食い!お前の父ちゃんコンポタ味!じゃあねっ!」

 

 

シュルルン……

 

 

 

 

 

しらたま「行っちまったよ…」

 

 

 

 

 

 

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そこにはただ青く澄んだ初冬の寒空と、たわわに実るセンダンがあるばかりであった。

 

たわわ、か。メイショウドトウちゃんいいよね。

 

 

 

 

 

(採取日: 2022. 12. 10)

ベニバナボロギクはだいたい春菊(代替春菊)

 

最近はなかなか一人で野草を探す時間がないので、子どもを遊びに連れて行くついでに道端の草をチェックするのがメインの活動になりつつある。そんなこんなで、近所のどこにどんな野草があるかだいたい把握している。それでも、こんなところに実はこれが生えていたのかと、ふとしたときに発見があるのが野草の面白いところですよ。

 

 

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何度かチェックしているはずの道にベニバナボロギク。一度食べてみたいと思っていた野草です。辺りを見渡しても群生しているわけでもなく、なぜかここにだけ生えている。

 

わが子「お、ベニバナボロギクでちゅね( ^ω^) 」
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そうそう、よく知ってるね。アフリカ原産のキク科の帰化植物だね。

海外では野菜として利用されることがあるとかないとか。味のレベルが高いらしい。

その名の通り、花が赤いから見間違いが少なくて助かる。

 

わが子「もっていきまちゅね( ^ω^) 」

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摘んだベニバナボロギクをパクって走り出すわが子。

 

 

 

 

美味しいと名高い野草なのでそんなに心配していなかったが、調べてみるとピロリジジンアルカロイドが含まれているとの情報がちらほら出てくる。

この成分はというと、以前ノボロギクを誤って食べそうになったことを書いた記事で触れています。端的に言うと毒。

 

ベニバナボロギクにこの成分が本当に含まれているというのが本当なのかもう少し調べてみると、ありました。どんな野菜や山菜に同成分が含まれるのかを調査した農水省の資料に、キク科ベニバナボロギク属が言及されている。どうやら確かな情報っぽいですね。

https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/papers_posters/pdf/108th_eisei1.pdf

 

フキにも普通に含まれている成分で、水溶性のため通常アク抜きの過程で取り除かれます。ベニバナボロギクが可食野草として有名であることを考慮すれば、ごく普通の下茹でを行えば問題ないということなのだろう。

 

 

 

とりあえず一枚生で食べてみるか。わが子がブンブン振り回したせいで葉がしなしなになっている。
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生で食べた時点でわかる。これは美味いやつ。春菊のような芳香があり、苦味はあるもののキク科植物としてはたいした苦味じゃない。なんならチコリーの方がよっぽど苦い。

花は食べられるか?

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さすがに無理だった。もしゃもしゃする。

 

 

 

 

葉をむしりました。根元に近い葉も全く筋張っていなくて柔らかいので、葉という葉は全部食べてみることにした。
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2分くらい茹でて冷水にとりました。特に水に晒したりはしてません。

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鰹節と醤油で。
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野生味を強くした春菊ですね。春菊のような滑らかな舌触りではないものの、ベニバナボロギクもまったく繊維が気になるようなところはない。香りのベクトルは春菊そのものだが、含み香に少し複雑さがあり、それが野生味を醸し出している。苦味はやはり穏やかです。レタスやチコリーが食べられるなら、全く問題にならないレベル。同じキク科の野草であるノゲシアキノノゲシの葉の苦さを考えると、野草でこれだけ苦くないのは驚きです。

 

まだ小さい花のつぼみは食べられるのか。
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あ、そんなに苦くない。葉よりも苦味も香りも強いけど、お浸しでも食べられる。ノゲシのつぼみだったら、強い苦味と菊花香でこんな食べ方できない。

 

たまたま作り置きしてあった肉があったので、ベニバナボロギクを添えて食べてみたら非常に合う。春菊よりも少し風味が強いから肉に負けてない。ただ炒め物などにするなら、ピロリジジンアルカロイドのことを考えて下茹でしてからの方が良さそう。

 

 

 

 

もっと群生していたら、日常的に採取して食べてもいいと思えるような優秀な野草でした。

ちなみに、子どもにはもちろん食べさせていません。野草を食うような人間になってほしくないので。

 

 

(採取日: 2022. 12. 3)

 

ハリガネムシに寄生されたと思しきカマドウマ

 

秋なので、先日の記事に続きハリガネムシ関連のネタです。ハリガネムシを食べたわけではありません。

 

 

 

 

午前10時、子どもと一緒に近くの公園にきました。公園といっても、だだっ広い芝生がある系の公園です。里山が隣接しており、いろんな生物が普段からいます。

 

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歩道になぜかカマドウマ。里山が隣接しているのでカマドウマが生息していてもおかしくはないが、白昼堂々、明るい場所にじっとしているのはさすがに異常。突っついてみても、ひょこひょこと歩きはするが全く跳ぼうとしない。

今どきカマドウマを見たことある人ってあまりいないんでしょうかね。僕の実家はクソ田舎の古い家なので、夏の夜に縁の下から玄関に這い出てきたりしてて、こいつらどこから出てきたんやと気味悪い思いをしてました。後ろ脚が長すぎて、楳図かずおの『漂流教室』に出てくる未来人類みたいなんですよね、この例えをわかる人がいるか分からないですけど。気味が悪かろうが、ただぴょこぴょこ跳んでるだけの極めて大人しい善良な虫です。

 

カマドウマって夜行性なのでこんな明るいひらけた場所にいるなんておかしいんですよ。季節は秋。突っついても逃げない。しかも10メートル離れた先には大きな池がある。…これはお察しですわ。

このカマドウマが池に飛び込んで尻からハリガネムシが出てくるのを待とうかと思いましたが、まったく動こうとしないので諦めました。

 

先日の記事にも貼りましたが、何度読んでも面白いので貼っておきます。

 

 

 

 

(観察日: 2022. 10. 16)

磯で採った貝やらヤドカリやらを放り込んだ味噌汁

 

先日の記事のとおり、三重県の答志島に旅行に行ったんですが、小さい子どもがいると旅行先での動き方が子ども中心になりますね。とにかく起きている時間帯にいかに退屈させないかに全神経を注ぐようになる。9月中旬なのでもう海水浴はできないが、磯遊びはできそうだということで、日中にちょうど干潮になる日取りで旅程を組んだ。

 

 

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磯遊びって子どもじゃなくても楽しいですよね。磯遊びを楽しめない奴は何やらせてもダメ。

 

 

 

イシダタミガイの貝殻ですが中身はヤドカリ。
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イボニシ。磯で拾える可食の貝としては比較的有名かな。
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マツバガイ。こいつは安定して一定量確保できますね。
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オオヘビガイ。これが一番採りたかったやつなんですけど、岩にがっちりついてるからちょっとしたナイフくらいではとれない。なんとか一個だけ確保して諦めました。
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成果

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子どもの世話しながらの片手間の採取だったので、よく目についたマツバガイがやたら充実する結果になってしまった。

 

 

ヤドカリ。ヤドカリの種類の区別がつかないどころかそもそも観察がちゃんとできないので、同定は諦めました。
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イボニシ
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イシダタミガイ。これも磯に行けばまず見られる貝ですね。
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スガイ。サザエ科だけあって美味しいらしい。
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マツバガイ
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オオヘビガイ
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あとはカメノテも見つけたので少しだけ拝借しました。
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サイズ的にも酒蒸しにするようなものではないので、味噌汁に入れてしまいます。出汁が無駄にならないので、こういう小さい貝を調理するときは汁物に入れるのは合理的だったりもします。

 

マツバガイ以外は貝殻ごと味噌汁に放り込むので、貝同士をすり合わせるようにして表面洗う。

マツバガイはスプーンの裏側を使って身を取り出す(取り出した身と内臓は写真のとおり)。内臓は入れた方がいいのか悩みましたが、酒蒸しではないので今回は取り除くことに。
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以前マツバガイを食べたときは酒蒸しにして内臓ごと頂いたが、それほどクセの強いワタでもなかった印象。逆にちょっと味が弱いかなと感じました。

 

 

 

 

 

完成。

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まず、入れた貝の量はたかが知れているので、貝の出汁はそんなに出てません。

 

イシダタミガイ。ふつうに美味いです。
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イボニシ。
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イシダタミガイよりもワタのクセが強いような気がする。イボニシはイシダタミガイと違って肉食性の貝なので、ワタの味にもちがいが出るのかもしれない。しかし全然食べて美味しいレベルのワタです。

 

スガイはさすがサザエの仲間で、入り口にフタがついている。これがなかなか硬くて串を刺せない。
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爪楊枝だと歯が立たないので金串に持ち替えた。
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立派なワタをお持ちで、味のバランスが大変良い。イボニシとかイシダタミガイよりも大きいので食べ甲斐もある。

 

ヤドカリ。赤い!
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甲殻類の強い香りと味が押し寄せる。身が少なくて殻の比率が高いからか、殻の香ばしさと脳みそのコクの印象が強い。その点ではサワガニを彷彿とさせるものがある。磯でお湯沸かしてカップヌードルを食べることがあったら、その辺でヤドカリ捕まえて入れればワンランク上のカップヌードルになるんじゃないでしょうか。

 

オオヘビガイ。
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カキを彷彿とさせるソフトな身質とコク。いかにも磯物というべき上記の巻貝たちとは全くベクトルのちがう品の良さ。次回はマイナスドライバー装備して本気で採る。

 

カメノテ
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エビのようなカニのような貝柱のような、シャクシャクした食感と甘み。

 

マツバガイ。ツノがぴょこっと出てる。f:id:shiratamarr:20221008214833j:image

コリコリ食感の味の薄い何かに成り下がってしまったかな…。食べるならワタもつけて加熱するか、ワタを外すなら刺身で、ってところでしょうか。身そのものにはそんなに強い味はないみたいです。

 

 

 

 

 

 

なお、磯にはワカメと思しき海藻もあったりして拾いたかったのですが、今回行ったエリアの漁業権を調べている余裕がなかったので、よくわからんものは避けて明らかに漁業権が設定されていないような磯物だけを対象にしました。

 

 

 

(採取日:2022. 9. 10)

巨大なハモを買って捌いてみたけど素人が手を出してはいけなかった

 

三重県鳥羽市の答志島に渡るフェリー乗り場の隣に鳥羽マルシェという直売所があります。

 

 

鮮魚がとても安くて魚種も豊富にある(写真は完全に撮り忘れた)。中でも目を引いたのがハモで、丸のままの大きなハモが700円とか800円で売られている。袋の中でくるくるっと体が巻かれた状態で入っているので大きさが分かりにくいが、なかなか大きなやつである。ハモなんて捌いたことないけど旅の勢いでこういうの買ってしまいがち。

 

 

買って帰って袋を開けてみた。

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想像以上にでかかったんだわ。

このまな板、一般家庭用よりも大きい横60センチのやつなんですけど全然収まらないんですね。余裕で体長1メートルある。完全に目算を誤りました。ハモの大きさほんまにわからん けどほしいお前との赤ちゃんbaby


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歯が怖すぎる。これで噛まれたら肉に歯が食い込んで、力ずくでは取れないですよ。

 

 

さて、まな板に全く収まっていない時点で詰んだ感がありますが、ハモの捌き方なんて知りません。そもそもこういう長い系の魚は捌くのが難しいイメージしかない。もう試合前からビビっている。

 

とりあえずこちらの動画を参考にさせていただく。

ハモの捌き方 - YouTube

 

 

 

まずは内臓を出しましょう。ちゃんと尻の方まできっちりと開きます。

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内臓を取り出せました。まな板に収まるようにしたらこうやって写真に撮るしかない。

 

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3枚におろすこともままならないので、とりあえず半分にぶつ切りし、上半身(上ハモ)と下半身(下ハモ)の2回に分けておろすことにします。下ハモは小田急沿線の人気の街で個人経営のお洒落な雑貨屋さんとかお菓子屋さんが立ち並んでたりする。サカナクションのボーカルの山口さんがゲリラライブとかする。

 

うなぎの場合は、関西が腹開きで関東が背開きと言ったりしますが、ハモとかアナゴにもそういう流派があるんですかね。とりあえず動画にしたがって腹開きしていきます。

 

なんか中骨がでかすぎて、逆にどこに刃を入れればいいのかわからない…

反対からも刃を入れて、中骨の除去が完了。

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親指よりも太い中骨…

 

 

次は背鰭の処理ですが、普通の捌き方だと身を押さえながら背鰭だけペリペリと剥がしていくようですが無理です。なので背鰭のところを切って取り除きます。

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あとは腹回りの骨をすき取れば切り身の完成。

 

 

 

ようやく骨切りの作業です。下の写真は身の断面ですが、ハモは身全体にバランスよく小骨が配されています。しかも小骨が硬いので骨切りしなければ快適に食べることができません。

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小骨が太すぎて骨切りがうまくできませんね…。骨がなかなか切れてくれない。もはや骨切りではなく、身自体を小骨ごと細切りにしてしまった方がいいんじゃないかというレベル。

 

 

なんとか下処理は終了。「完了」という言葉をとても使うことはできない。
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一見うまくできてるんですけどね。

 

ハモを買ったときは天ぷらにでもして夏の名残りを楽しみましょとか思ってたが、今ではどうやってなんとか引き分けに持ち込むか必死で考えている。天ぷらなんて初めから無理やったんや。

とにかく小骨が怖いんですよ。まったく骨切りできてる自信ないですもん。となれば、じっくり唐揚げにして骨までなんとか食べられるようにするしかない。ハモを買った意味…

 

火が入りやすいように、切り身の真ん中にクソデカ隠し包丁でも入れとくか…
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醤油、酒、生姜で軽く味をつけて、片栗粉をまぶして揚げていく。まずは15分程度低音で揚げる。
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ちょっと味見。
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小骨がそのまま出てきました。誰だよこのハモの骨切りやった奴、全然骨が切れてねえじゃねえか

小骨はy字型なんですね。コイ科の魚の小骨も立派なy字してますが、ハモもそうだったのか。というか小骨・血合骨は基本的にこういう構造なんだろうか。

 

揚げた身を一度冷ましてニ度揚げ。高温で短時間で揚げ終える。
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これだけ揚げると当然味の水分は抜けてパサパサとした食感になってしまいます。残念ながらあまり美味しい代物ではない。
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仕方ない、揚げ煮にしますか… 醤油、味醂、砂糖、少しの酢で甘辛く炊きます。
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少し冷まして味が染みたところで完成。

 

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ギリギリ引き分けに持ってこれたかなというライン。揚げすぎた一部の身がカスカスになってしまっていて悲しい。ハモに対して本当に申し訳ない結果となってしまった。

敗因があらゆるところにありすぎて反省会どころではないのだが、今回の学びをひとつだけ挙げるとしたら、このサイズのハモの小骨は素人が骨切りの真似事をしたところでどうにもならないので、潔く身を細切りにしてしまった方がいい。ハモといえば骨切りという固定観念は今回で捨てます。

 

 

 

以上、皆さんが巨大なハモを買った際のご参考まで。

 

(購入日: 2022. 9. 10)