琵琶湖遊び釣り編につづき、今回は野草編。
釣り編はこちら。
私は魚を釣るということへの執着がどうも薄いようで、すぐに集中力がなくなって他事をしがちである。魚だけではなく野草とかその他諸々で土産ができればそれで良いと思っている。
初めに釣っていた場所にスベリヒユが生えまくってる。スベリヒユは野草の中でも屈指の人気銘柄ですし、摘んでいきましょうか。
ぶっちゃけ、実家の畑にアホみたいに生えてるやつの方が葉がツヤツヤプリプリだから、そっちを摘めばいいわけです。でも、見つけてしまったので摘ませていただく。
そんなこと言うならわざわざここで摘まなきゃいいじゃないか、と御仁は思うことだろう。それでも、見つけたスベリヒユを摘むことは否応がなかった。お互い知らないままなら、こんなに好きにならなかったし、こんなに苦しむこともなかった。一体どこで間違ったのだろうと時間の記憶をなぞる。そうだ、きっと2人が出会ってしまったことそれ自体が原因だったのだ。その瞬間に、私たちの現在(いま)はすでに予言されていたのだーーーそういう感じの否応のなさです。
ツユクサもありますね。
つい先日ツユクサ食べたばかりだったけど、見つけてしまったものは仕方ないので、摘んでいきましょう。否応なしです。今日はすごく疲れていて、しかも雨が降っている…ここ2ヶ月間有給とってなかったし、今日くらいええやろということで仮病使って会社を休むときくらいの否応のなさです。
前回食べたツユクサとは異なり、陽当たりの良い場所に生えているので、食味がどれだけ変わってくるのかにも興味がありました。
ちなみに前回のツユクサは、目立った欠点もなく、とても美味しかった。
駐車場のすぐそばの草地にめっちゃ生えてるオニノゲシ。痛そうですね。
オニノゲシはタンポポに似た小さい花を咲かせます。ヨーロッパ原産の帰化植物ですがどこにでも見られます。あまり背丈が伸びていないものだけを頂いていきます。
何かの幼虫が葉を食べてます。マリメッコ的な色合いで可愛いですね。後から調べてみると、ホソバセダカモクメという蛾の幼虫のようです。まだ本格的に昆虫食に足を踏み入れてない身分なので持ち帰りません。命拾いしたな小僧。
調理。本来は、現地では柔らかい可食部だけを選別して摘んでくると処理が楽なんですが、横着して適当に摘んできてしまったので家で選別します。
【2021.8.9 追記】スベリヒユの太い主茎は茹でれば柔らかくなるので、選別の必要はありません。この頃の私はまだ幼かったのでそのことを知りませんでした。
ゆでて、各々味付け。
上がオニノゲシの胡麻和え。左がツユクサのナムル。右がスベリヒユのお浸し。
まずはオニノゲシから。…苦い。苦味のベクトルが、刺身に添えられている食用菊に似ている。オニノゲシはキク科なので、ある意味忠実な食味なのかもしれない。キク科には、野菜でいうとレタス、春菊、チコリー、サンチュなどがあり、いずれも多かれ少なかれ同じニュアンスの苦味がある。もうちょっと水に晒したら苦味も抜けたんだろうか。
スベリヒユ。繊維が口に残ることもなく、アクも強くなくとても食べやすい。噂に違わず、野菜に限りなく近い野草。ただ、酸味が少しあるので個人的にはお浸しはあまり合わないかなという印象があり、調味料を足してナムルにしたらとても美味くなった。
ツユクサ。洗ってるときから嫌な予感はしてたんだけど、やっぱり葉がちょっと固かった。噛み切れるんだけど、ゴワゴワして舌触りと歯触りがいまいち。柔らかい笹って感じ。味自体はクセがなくて美味いんだけどね。
オニノゲシだけはどうにもならなかったのでさらに加工。油で炒めてから酒、醤油、砂糖で煮てみたら、苦味が少し和らいで食べやすくなったし、何よりコクが出てきた。
でもまだ独特のクセがあるので、オニノゲシ単体で食べることはいったん諦めてチャーハンに入れてみる。他の食材と合わさると、クセもあまり気にならなくなって、ちょうどいい具合の主張の強さになって美味くなった。
繊維を断ち切る意味でも、細かく刻んでから肉とかと一緒に中華風の炒めものにするのが一番美味しくなる使い方かもしれない。オニノゲシの未来は希望に溢れている。