しらたまが道草を採って食うブログ

私ついていくよ どんな辛い野食の闇の中でさえ

ヨシの芯は味は良いけど歩留まりが悪すぎる

 

野食系の漫画が近年いくつか出ておりまして、その中の草分け的な作品である、野食家の茸本朗さん原作の『僕は君を太らせたい』を読んでいたら、主人公達がヨシ(葦〈アシ〉と同じ)の芯を食べていた。

僕は君を太らせたい!(1) (ビッグコミックス)

原作者のブログをあらためて見てみると、やっぱり食べてる。

竹の子ならぬ「ヨシの子」は南日本のネマガリタケ的存在になりうるか | 野食ハンマープライス

 

ヨシといったら川原にいくらでも生えているあいつだけど、茸本さんのブログみたいな立派なヨシはお目にかかったことがない。

 

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その辺に生えてるのはせいぜいこのくらいの太さのもの。季節は12月、季節外れな新芽ではあるが、見つけたので数本だけ採ってみた。この日は他にたくさん食材を調達し終えていたので、ほんのお試しで。
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たけのこのように、真ん中の芯の部分だけ取り出します。
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すっくね…

試しに生で齧ってみると、ポリポリとした食感でほんのり甘みがある。たくさん集めることさえできれば、いろんな調理に使えそうなポテンシャルを強く感じる。

 

わざわざ調理方法を考えるほどの量でもないので、他の食材と一緒に天ぷらに。
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たけのこやマコモダケの系統の香ばしさがあって味は良い。特に灰汁抜きはしなかったけど違和感なく食べられた。しかし歩留まりが悪いのが残念すぎる。

 

 

ところで、ネットでヨシの可食性について調べようとしたのだが、情報があまりない。ヨシの根茎を乾燥させたものは蘆根(ろこん)という漢方になるらしいのだが、食材として利用した話は、パッと調べた限りでは、上述の茸本さんのブログのほかには、ヨシの葉を茹でて食べることを試みた方のブログと、パウダーにしてケーキ等に練り込んで商品化しようという地方の取組みの記事があるくらいだった。

ヨシは汁が甘い - 雑草生活 ~weed

【関西の議論】河川敷のヨシを食べる 枚方・交野の「リサイクル」街おこし(1/3ページ) - 産経ニュース

イネ科であるヨシの繊維は人間の胃では消化できないはずなので、ヨシの葉を食べたあと腸に異変がなかったかが大変気がかりである。

 

 

今回食べてみた限りでは、美味しいにもかかわらず実食例が少ない理由がとても腑に落ちた。よほど太いやつが見つからない限り、たぶん2回目はやらないと思います。

 

 

(採取日: 2020.12.13)