近所の公園の一箇所にだけユキノシタが生えていた。天ぷらになるべくして生まれてきた野草です。
よく家の庭に植えられていたりもしますね。ユキノシタを庭に植えておけば、いつでも天ぷらをすることができるわけです。庭にユキノシタを植えてるのに天ぷらにしない人は何を考えてるんでしょうね。
ユキノシタの葉の裏は白くなっていて、かつ赤い毛が密生しています。「雪ノ下雪乃の毛…」とかすぐそういう気持ち悪いこと言うのやめてもらっていいですか。
株から伸びている赤いのは走出枝(ランナー)というやつで、この出走枝の先端から葉や根が出てきて個体として分離します。芋とかムカゴと同じで、身体の一部が新しい個体に分かれる栄養繁殖という無性生殖の一形態です。
根っこはこんな感じ。
天ぷらにするときは、見た目が良くなるよう葉の裏にだけ天ぷら粉をつけて、裏側を30秒ほど、表側を一瞬だけ揚げる。
ユキノシタ自体にはこれといった味はないですが、葉に一定の厚みがあるためシャリシャリとした葉の食感が感じられます。表面が毛に覆われているので衣の絡みが良く、この点でも天ぷらとの適性が高いですね。
ちなみに、天ぷら特化型の野草は、このユキノシタの他にアカメガシワやカラムシなど色々あります。この中ではユキノシタが天ぷらのタネとして一番メジャーで、野草イーターではない一般人からも知られていますが、葉の表面が毛で覆われているので天ぷらという調理法との相性がいいという点で共通します。
アカメガシワにはモチモチとした食感があります。アカメガシワは本当に河川敷や里山に行けばどこにでも見つかるわりに美味しいので、個人的に気に入ってる野草です。
カラムシは葉が薄いので、葉自体の食感はほぼ感じられずただサクサクとしています。紫蘇の天ぷらの食感が好きな人は好きだと思う。
どれも単体で天ぷらのメインを張れるほどではないけれども、賑やかしとして天ぷらの盛り合わせに入っていてもおかしくないくらいの美味しさです。
(採取日: 2023.3.25)