しらたまが道草を採って食うブログ

私ついていくよ どんな辛い野食の闇の中でさえ

たんぽぽの利用可能性は大きい - たんぽぽのツナマヨ和え

野草の摘み食いをしていて面白いのは、その辺に普通に生えてる植物が実は美味しかったりして、その植物に対する見方がまるで変化してしまうというところなんですよね。なぜこれが栽培されて野菜として一般化しなかったんだろうかと思いを馳せるのもまた一興。

食用にできることが有名であり、かつどこにでもある植物の代表格がたんぽぽでしょうか。

 

実家の畑で野菜をパクっていこうとしたときに、ついでにスベリヒユでも摘んでいくかと思ったのだが、10月下旬で既にスベリヒユが枯れ果てていたので、急遽白羽の矢をたんぽぽに立てたわけだ。すまんな。

たんぽぽはキク科の植物なので、たぶん苦味とキク科特有の香りがあるんだろうと予想。以前食べた、同じくキク科のノゲシ(細かくいうとオニノゲシ)の食味に近いんじゃなかろうか。

↓ オニノゲシを食べた時の記事

 

 

掘っていきましょう♂

 

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葉の形状や色にけっこう差があるんですよね。同じセイヨウタンポポですが、上のギザギザ感の強いのが成長しきった本葉、下が成長途中の中間葉のようで、中間葉のほうが柔らかくて美味しそう。葉の伸び方も、本葉は地に這うようにペタッと伸びているのに対して、中間葉は這いが弱い。根っこも、本葉の株はかなり根深くかつ太くなっているのに対し、中間葉の株は上の3枚目の写真のようにまだまだ細く短い。よくよく見るとけっこう違いがあるんだね。

 

たんぽぽの根も食べられるので丁寧に掘っていきます。農家にとってたんぽぽはただの雑草ですが、この根のせいで普段の農作業では除去が難しいので、たんぽぽを採ると親から喜ばれます。皆さんも敬老の日とかにたんぽぽ採ったらいいんじゃないでしょうか。

 

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けっこう採れました。

これを茹でて5分くらい水にさらしておきます。前回ノゲシを食べたときに明らかに苦かったことの反省。

ノゲシのときに油と相性が良さそうということは分かったので、今回はお浸しではなくツナとマヨネーズで和えてみた。山賊ダイアリーで著者の岡本さんが勧めてたやつ。


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うん、苦味はあるけど、春菊食べられる人ならさほど気にならない程度。味も香りもノゲシと似てるけど、夏の盛りに採ったこの前のノゲシに比べたら今回のたんぽぽは圧倒的に食べやすい。若葉、中間葉にしぼって採ったらもっと苦味が少なかったかもしれない。根っこも葉と同じような苦味で、思ったより繊維が強すぎなくて食べやすい。

 

そりゃ春菊の方が美味しいけど、野草であることを考えたら全然美味い。他の具と一緒に炒めたり天ぷらにするともっと普通の野菜レベルで美味しく食べられそうな気がする。多年草のたんぽぽはいつでもどこでも生えてるので、ポテンシャルが高いね。

そういえば、コーヒーを作ろうと思って一年前に掘って乾燥させたたんぽぽの根っこがまだそのままの状態で手元にある。ミルサーを持ってないからコーヒーにできないのである。あはは

 

マテバシイを食べてみる - 丸ごと調理編

紳士淑女の秋の楽しみといえば、ドングリ拾いであろう。

かくいう私もその辺で拾ってきましたよ。

 

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ドングリはブナ科に見られる硬い殻に覆われた果実の総称であるが、アク抜きしなくても食べられるものはスダジイ、ツブラジイ、マテバシイ、クリの4種類。全てブナ科だが、スダジイとツブラジイはシイ属、マテバシイマテバシイ属、クリはクリ属にそれぞれ属している

ってかマテバシイってシイ属じゃなくてマテバシイ属なのか。クサビフグがクサビフグ属みたいな感じか。

 

今回拾ってきたドングリはマテバシイ

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丸々つやつやしてて福々しい。鈴なりで実っているのが面白い。

ちなみに、ドングリを調べるにあたっては、日本自然保護協会の「どんぐり検索表」がとても分かりやすい。

↓どんぐり検索表リンク

【配布資料】今日からはじめる自然観察「これは何の木のどんぐり?」 - オフィシャルPro|NACS-J

 

 

縄文の昔から食されていたというし、たぶん美味しいのだろうということでたくさん拾ってきた。

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下処理として、水に浸けて浮かんでいる実を取り除いておく。そのあと新聞紙に広げて乾燥。日光で乾燥させるとひびが入って殻が割りやすくなるらしいけど、室内で乾燥させても既にひびが入ってああるものがある。いや、元からひびが入っていたのか?そうだとすると、ドングリを拾った直前に雨が降っていたのでカビの原因になりそうで困る。まあいいや。

 

 

まずは炒り。初めての食材はいつも炒りから。

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うん、美味い。あまり甘くないハズレの栗みたいで美味しい。当然ながらナッツみたいにカリッとはしないし、栗みたいなホロホロでもなく、野野趣溢れるデンプンという感じでもそもそとしている。もっといい調理方法がありそうだ。

 

 

ちょうど栗ご飯が食べたかったところなので、ドングリご飯でも炊いてみましょうか。ご飯と一緒にマテバシイを入れて炊飯器で炊くだけ。

 

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うん、美味しい。ほのかに栗ご飯のようなニュアンスの香りがあり、それでいて全然甘くなくて、しかもドングリが全然柔らかくないからご飯に馴染んでなくて美味い。マテバシイを下茹でしておけばもっと柔らかい食感になったのかな。

 

 

3合も炊いたドングリご飯を食べながら薄々気づいてきたが、マテバシイ、今のところそこまで美味しくないぞ。他に食べるべきデンプン質がないのならたぶん最高に美味い。しかし僕の家にはいま新米があるし、冷凍庫には栗がある。これは真面目にマテバシイを美味しく食べる方法を考えなければなるまい。ただし面倒なので今回は粉にはしない。まずは丸ごとの姿で美味しく調理したい。

 

2日ほど真面目に考えたがさっぱり思いつかないので、とりあえず揚げに頼ろうか。素揚げして塩をかければたいていのものは食べられる。

 

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うん、美味い。カリカリの食感で、塩味がデンプンの甘味をうまく引き立てている。これに金は払おうとは思わないが、居酒屋のお通しで出てきたら喜んで食べる。少なくとも乾燥スパゲティを揚げたやつよりずっと美味い。焦げるちょっと前までしっかり揚げたのがいい食感につながったのかもしれない。揚げは裏切らない。

 

 

ドングリがまだ1キロ分くらい余っているので、全部揚げて、グラニュー糖と少しの塩をまぶしてスナックを作っておく。これで在宅勤務中口寂しくない。それに、上司がどれだけ講釈を垂れようと、その上司は「ドングリを拾って揚げてストックしてちまちま食ってる奴を相手に説教してる人」に成り下がってしまうわけだ。ざまあみやがれ。

さて、ストックしておいたこの揚げドングリを食べたが、なんだこれカッチカチやんけ。揚げたてのときのカリカリがすっかり失われ、加熱前よりも食感が悪くなってしまった。まあでも、うん、美味い。茶碗の縁にくっついてるベータ化した米を噛みしめてるみたいで美味いよ。

 

 

面倒だったから今回はやらなかったが、マテバシイを粉に引いて本格的に調理法を探る必要がありそうだ。もう今年はやらないかもしれないけど、気が向いたらやります。

 

(採取日 2020. 10. 6)

  

海岸のハーブ・ハマゴウの奥ゆかしさはシンプルな肉料理に合う - 豚肩ロースのソテー

日本には8つ、海と接しない内陸県があるがご存知だろうか?まあ知らないでしょうね。海あり都道府県の人たちは、海なし県のことなんてこれまでの人生において1ミリたりとも考えたことなんてないのでしょう。授かりし者は、授かることができずに地面を必死に這いつくばっている人間のことを気にかけるはずもないわけですよ。どうせ「海がないとかw チェコじゃないんだからw」とか言って笑ってるんでしょ。

興味ないでしょうけど、一応答えを言っておくと、栃木、群馬、埼玉、山梨、長野、岐阜、滋賀、奈良の8県です。どうでもいいって?うるせえイナゴぶつけんぞ。

 

 

海なし県民はこうした屈折した思いを抱えているのだが、かくいう私も岐阜の生まれ育ちである。海に対する悶々とした思いに苦しんでいた父により、しょっちゅう福井の海に連れて行かれたものだった。

なぜかいい歳して未だに父から釣りに誘われるので、たまに一緒に釣りに行く。

 

 

 

今回は砂浜からの投げ釣りをしていたが、全く釣れないのでその辺の草を見て回ってみる。海岸は特有の野草が多いので、何か面白いものがあるだろう。

一角に草が生えまくってますね。

 

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ちょっと肉厚の葉で、触り心地がフカフカしていて、なんとも品のよい可愛らしい草。「ハマボウフウだ!」喜びの声をあげる私。調べてみたらハマゴウという野草でした。全然ちがうやんけ。(ハマボウフウは葉がもうちょっと艶々していて、葉の縁がギザついているセリ科の植物。)

 

ちぎって香りを嗅いでみると、優しい芳香がある。ハマゴウという名前は「浜香」から来ており、線香の原料にされていたようだ。他にも入浴剤や枕の詰め物にも用いられ、昔からこの香りは好まれていたらしい。シソ科の植物みたいですね。

食べてみると、苦い。でもハーブ的に使えそうなので、一株頂いていく。


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1箇所の根っこを中心に葉が円状に広がっているロゼット型というわけではなくて、枝の途中途中に根っこが生えてる構造。

 

 

 

 

帰宅後、すぐに調理に使う用事がなかったので乾燥。

 

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乾燥した状態で香りを嗅いでみると、生の葉の香りよりも弱くなったものの、揉むと仄かに香る。西洋のハーブほどの力強さはない代わりに、嫌味のない、誰もがいい香りと感じるような優しさと爽やかさに溢れている。

 

 

 

ラタトゥーユを作る予定があったので、ハマゴウを使ってみましょうか。私はラタトゥーユには必ずタイムを入れるのですが、代わりにハマゴウを使ってみます。タイムはなかなか主張の強い、そして代替の効かない特徴的な香りを持っていますが、果たしてハマゴウはどう仕上がってくれるのか。

 

まず、玉ねぎとパプリカをよく炒めて水分を十分飛ばす。このときに刻んだハマゴウも一緒に入れて炒める。

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別のフライパンでナスとズッキーニをグリル。あまりいじらずに、よくよく焼き目をつけます。
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今回はトマト缶は使わず、沢山買っておいたフレッシュトマトを使います。
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日本酒を入れて煮込む。ひねが出て美味しくなくなった日本酒を早期に消費したかっただけなので、白ワイン入れたほうが美味しいと思います。ちなみに、鍋は愛用のル・クルーゼです。社会人になって初めてもらったボーナスで買ったもの。


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味が馴染んだ2日目以降にいただきます。

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うん、美味い。しっかりと水分を飛ばした野菜たちは味を凝縮させ、ナスとズッキーニの焼き目は旨味に変わっており、そこにトマトのグルタミン酸が畳み掛ける。

しかし、ハマゴウは完全に埋もれているな。上述のとおり、ハマゴウは奥ゆかしい子なので、野菜の旨味に完全に飲み込まれてしまいました。ミスキャストです。

 

 

 

色んな食材に埋もれると消してしまいそうなので、もっとシンプルにポークソテーに使ってみましょう。

 

豚肩ロースに塩胡椒と刻んだハマゴウをまぶして下味をつける。ニンニクにじっくり火を入れ、オリーブオイルにニンニクの香りが移ったら肉を焼く。片面は中火でさっと、もう片面は酒も加えてじっくり蒸し焼きにしていきます。

ポークソテーはシンプルだけに焼き加減でもろに美味さが変わってきて、けっこう難しい。店では両面に焼き目がついたらオーブンに入れて中まで火を通すらしいですが、家庭だとどう焼くのが一番いいんでしょうね。

仕上げに醤油を垂らして完成。

 

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ハマゴウの存在感はやはり強くはないけど、噛んでいると品のよい清涼感がほのかに感じられて、味や香りに少しの複雑味を加えてくれている。もっと多めにハマゴウをまぶせばより明確にそこが感じられたかもしれない。次回は惜しまずに使ってみるか。

 

 

 

ハマゴウ、特徴が活きるような調理方法を見極めなければいけないけど、食材の邪魔をするようなハーブではないので使いやすいんではないでしょうか。次回海に行ったときにはもう少し多めに採ってきて保存するようにしましょうかね。海なし県民なので。

 

(採取日 2020. 9. 19)

畑に生え散らかしてる紫蘇でジェノベーゼを作る

今年の実家の畑には紫蘇がわんさか生えている。紫蘇が少なかった昨年の実績への反省から、今年は種をたくさん撒いたからである。昨年も紫蘇の種を撒いたのだが、昔植えて以来うちの畑で半野生化している三つ葉とのニッチ争いに負けて、あまり育たなかったらしい。植物界も大変だな。

ともあれ、今年は大量の紫蘇が育っているのだが、とてもではないが消費しきれる量ではない。夏を超えたら葉も固くなり、秋の穂紫蘇を楽しんだらもう抜いてしまわなければならない。さてどうするか。葉が固くても大量に消費できる利用法といえば、ジェノベーゼソースしかない。

 

ということで実家から45リットルポリ袋一杯に持ち帰った紫蘇。

 

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まず葉の選別。ひたすら3時間くらいかけて葉をちぎり終わった。何をしているのだ。

 

ジェノベーゼは本来はバジルで作るが、他のハーブを使ったレシピも色々ある。しかし香りがある程度強いハーブでないと、香りがすぐに飛んでしまってただの青臭いソースになってしまうとの思いがあるので、その点、紫蘇は安心して使うことができる。

材料は、紫蘇、ニンニク、クルミ、オリーブオイル、塩。シンプルな材料なので、パンチのある味に仕上げるためにはニンニク、クルミは多めに入れるべきと思っている。大量に作って長期保存したいので、パルミジャーノレッジャーノはこの時点では入れず、食べる直前にかける方式にする。レシピによっては胡椒を入れるものもあるけど、せっかくのハーブの香りが胡椒に隠れて野暮ったくなるので、入れない。

 

下準備でクルミを炒っておいたら、あとは材料を入れてフードプロセッサーにひたすらかける。紫蘇を大量に入れたので、かたまりが残らないように入念にかける。

 


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できました!ほうれん草入りベーグルです!

 

ツイッターでこの画像あげたら、どこぞのbotがカロリー計算してくれました!チョコリングドーナツと認定されました!


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馬鹿なこと言ってねえでさっさと食べるぞ。

 

パスタ茹でるときにズッキーニも一緒に茹でました。

パルミジャーノレッジャーノはたくさんかけましょう。かければかけるほど美味しくなります。世界の理です。


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紫蘇の香りがしっかり立っていて美味い。やはりニンニク、ナッツ、オリーブオイルはガッツリ入れるとパンチが出ていいですね。このときは茹で上がったパスタをボールに移してソースを和えただけだったけど、フライパンの上でソースと茹で汁を合わせて乳化させるとより美味い。

 

ソースを作ったその翌週にまた実家から同量の紫蘇を貰ってきたので、今冷凍庫に4ヶ月分くらいのソースの在庫がある。当分食い繋げられるね。

琵琶湖に行っていろいろ採ってきた④ 〜 ウワバの仲間と思しき幼虫

琵琶湖湖畔でオニノゲシを摘んだ話は既に書いたが、持ち帰って処理していると何匹か緑色の幼虫がくっついていた。

オニノゲシの話はこちら。

 

何かの幼虫。

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オニノゲシには黄色のマリメッコカラーのホソバセダカモクメがついていたが、これとは明らかに別の種類だ。

ホソバセダカモクメのご尊顔↓

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緑の謎の幼虫は1〜2センチの小型で、たぶん何かの蛾の幼虫だろう。見つかった4匹のうち、1匹は既に蛹になっていて、もう1匹は糸を纏って蛹になろうとしている状態(前蛹)であった。まだ動いている子を手に乗せてみると、尺取り虫みたいな動きをして可愛い。

この動きと、オニノゲシ=キク科の植物を食草としていることから考えて、ウワバの仲間だろう。それ以上は不明。

 

ウワバ類 | 農業害虫や病害の防除・農薬情報|病害虫・雑草の情報基地|全国農村教育協会

 

 

せっかくなので食べてみましょう。小さいし、シンプルに茹でで。

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蛹と前蛹は未消化物を出し切っているので白いですね。よく見るとお手々がめちゃ可愛い。

 

 

プチッ。

あ、中がとってもクリーミーで濃厚。味はなんだろう、とても虫感溢れるタンパク質だなぁっていう感じ。全然伝わらねえな。

ここで言ってる「虫感」がどういう感覚かというと、よく生の栗を剥いて食べると虫食いのやつがあるじゃないですか。虫食いの栗って、口に入れた瞬間に「あ、明らかに栗の味じゃないわこれ」っていう味がするじゃないですか。あの風味。濃厚でなめらかなベシャメルソースのテクスチャーに、旨味と虫食い栗の風味が乗っかっている感じ。まぁ美味しいかと聞かれたら「虫らしい野趣があります」と答える。

 

ちなみに蛹も味は同じだけど、殻がパリッとしていて食感が面白いのと同時に、アクセサリーを壊してしまったときのような罪悪感がちょっとだけ湧き出てくる。

 

 

もともと人間にとって可食な野草を食べている幼虫なので、予想外に不味いということはなかった。野菜とかについてる虫も、嫌わずに食べてあげればいいんじゃないでしょうか。

 

琵琶湖に行っていろいろ採ってきた③ 〜 オニグルミ

道草など食いもしない御仁におかれては、クルミがその辺に実っているものだなどとは想像もしないだろう。しかしオニグルミというクルミは、河川敷などの水辺によく自生しており、全くもって珍しいものではない。あなたのすぐ背後にもいます。

市販のクルミはいわゆるセイヨウグルミ(ペルシャグルミ)だが、それに対してオニグルミは和グルミと言われることもあり、山間部の道の駅を覗いたりするとナッツ部分が剥かれて売られていたりする。セイヨウグルミに比べると殻が厚く可食部が少ないが、代わりにセイヨウグルミにはない濃厚な旨味と特有の香りを持つ。油分、タンニンの含有量もセイヨウグルミに比べて少ないらしい。

 

和グルミの旨さはクルミのなかでもNO1 - 和グルミプロジェクト

 

秋になると熟した実が落ちるので、今年も秋になったら河原に行って拾いに行こうかと思っていたが、琵琶湖湖畔で山ほどオニグルミがなっている場所を見つけてしまった。しかも、木の背丈が低いので、実を落ちるのを待つまでもなく手でもぐことができる。もぎもぎフルーツです。

 

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緑色の部分がいわゆる果肉で、その中に入っている硬いものが種子。その種子を割って出てくる種の中身(仁と呼ばれる)がクルミの可食部。アーモンドとか銀杏と同じ構造。

 

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本当はコンクリートとかで踏みつけて果肉部分を取り除いておくと楽なんですが、昼前で体力が残ってなかったのでそのまま持って帰ってきてしまった。

 

 

家の小庭で果肉を処理。果肉部分はタンニンがすごいので、液がついてコンクリートが黒くならないよう袋を何重かにして踏みつけます。

ゴム手袋がこのとおり草木染めになりました。

 

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出てきた種子部分を洗って、フライパンで炒ると、隙間から油分がシュワシュワと滲み出てきます。そのあと熱湯で数分茹でると中身が取り出しやすくなるらしい。

 

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殻はすごく硬いので、専用のくるみ割り器を使います。私は燕三条の和クルミ割り器を愛用しています。

https://netshop.tsjiba.or.jp/products/detail.php?product_id=433

 

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中身をほじって出します。

 

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3時間くらいかけて取り出し終わりました。お疲れ様でした。

中身は水分を含んでいるので、保存するためさらに炒ります。これを冷蔵庫で保存して、食べたいときに食べて下さい。

 

作業ばかりのつまらない内容になってしまいましたが、まだクルミをつかった料理も作ってないので、作ったらまた更新するかもしれません。今日はここまで。解散。

枝豆についた幼虫は枝豆の味(シロイチモジマダラメイガ?)

記事にするほどでもないんだけど、せっかくなので短いけど備忘で書いておく。

 

実家で採れた枝豆を先日茹でて食べていたんですよ。こいついつも実家の畑で収穫した野菜食ってんなって思った?へへ

 

 

枝豆にもよく虫がつくんですよね。

 

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ぬくぬくと豆の中で育った幼虫。忍びないので食べてみた。

 

…枝豆の味だ。食感がムニムニしててちょっとタンパク質感が強いけど、風味は枝豆。

なんとなくメイガの幼虫であるんだろうけど、それ以上はよくわからない。調べてみた限りでは、シロイチモジマダラメイガの可能性が高いのかな。枝豆の最重要害虫。

シロイチモジマダラメイガ | 農業害虫や病害の防除・農薬情報|病害虫・雑草の情報基地|全国農村教育協会

 

こいつの名前を調べたくて「枝豆 幼虫」でググってみたら、「冷凍枝豆に虫が入ってた!食べても大丈夫?」的な記事がたくさん出てきた。僕からは「けっこう美味いから虫ごと食べてみるといいですよ」と回答したい。これ豆知識な。